(旧版)高血圧治療ガイドライン2004

 
第7章 他疾患を合併する高血圧


4)メタボリックシンドローム

高血圧、高脂血症(高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症)、肥満、糖代謝異常の合併は、虚血性心疾患をはじめとする動脈硬化性疾患を相乗的に増加させることが、多くの疫学研究から明らかにされている。そして、これら危険因子となる疾患の共通の背景因子としてインスリン抵抗性が関与し、multiple risk factor症候群、インスリン抵抗性症候群、腹部肥満症候群など多くの名称で呼ばれてきたが、最近は、米国National Cholesterol Education Program(NCEP)ATP-III(2001年)で提唱されたメタボリックシンドローム316)が一般的な呼称となっている。NCEP-ATP-IIIでは、血圧高値(130/85mmHg以上)、耐糖能異常(空腹時血糖110mg/dl以上)、内臓肥満(腹囲で男性102cm以上、女性88cm以上)、高中性脂肪血症(150mg/dl以上)、低HDLコレステロール血症(男性40mg/dl未満、女性50mg/dl未満)の5つの危険因子のうち3つ以上有するものをメタボリックシンドロームの臨床診断基準としている。これらの基準値は本邦のガイドラインのそれと異なるものがあり、本邦における診断基準については、高血圧学会を含む関連7学会合同委員会で現在検討中である。
 
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