(旧版)高血圧治療ガイドライン2004
第6章 臓器障害を合併する高血圧 |
2)心疾患(図6-2)
心臓は高血圧の重要な標的臓器のひとつである。収縮期および拡張期の圧負荷により心肥大が生じ、冠動脈硬化症の危険性が増す。心肥大や冠動脈硬化症の結果、虚血性心疾患、心不全、不整脈、突然死が生ずる。本邦における薬物治療中の高血圧患者の追跡調査では、合併症の中で心疾患の合併が最も高頻度であり、25%に達した210)。高血圧に加えて、高脂血症、糖尿病、喫煙などの危険因子が併存すると、虚血性心疾患、心不全、突然死が増加することが本邦の調査研究でも示唆されている211)。心血管病による死亡率および心血管事故発症率を減少させるためには、血圧を十分に(140/90mmHg未満)下げることが重要である109,212)。
図6-2 心疾患を合併する高血圧の治療 |
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