(旧版)高血圧治療ガイドライン2004

 
第4章 生活習慣の修正


3)適正体重の維持(減量)

肥満はbody mass index(BMI:体重(kg)÷[身長(m)]2)で25以上と定義される142)。肥満が高血圧の重要な危険因子であることは多くの疫学研究で示されている143)が、それのみでなく高血糖・高中性脂肪血症・高LDLコレステロール血症・低HDLコレステロール血症を惹起し、心血管病の危険因子として重要であるメタボリックシンドロームと密接な関係があるとされている。特に内臓における脂肪沈着増加(内臓肥満)が重要である。
減量の降圧効果は確立されており、4.5kgの減量で有意の降圧をきたすことが大規模臨床試験(TONE)で報告されている111)。本邦でも、平均4.1kgの減量で降圧をきたしたという報告144)がある。また、減量により降圧薬の投与量を減じることができ、代謝指標も併せて改善されるという145)。さらには、減量によりメタボリックシンドロームで認められる炎症反応の亢進や血管内皮機能異常の改善をもたらすという成績もある146)。肥満を伴う高血圧患者においてはまず初めに減量を勧めるべきであり、4〜5kgの減量でも降圧が期待できることも考慮に入れて無理のない長期的な減量を指導してゆくべきである。また、非肥満高血圧患者においては適正な体重を維持することが重要である。
 
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