(旧版)高血圧治療ガイドライン2004
第4章 生活習慣の修正 |
高血圧の発症には遺伝素因と環境要因が関与しており、環境要因は主として社会の文明化に伴う生活習慣の変化によるものである。減塩・減量・節酒や運動などの生活習慣の修正(非薬物療法)はそれ自体で降圧効果が認められるだけでなく、降圧薬の作用を増強させる効果があり、降圧薬減量の一助となりうる。また、高血圧以外の心血管病、危険因子(糖尿病、高脂血症など)の合併を予防するという目的からも、原則としてすべての高血圧患者に対して教育・指導すべきである。
生活習慣の修正項目を表4-1に示し、図4-1にそれぞれの生活習慣修正における降圧の目安を示した29)。
表4-1 生活習慣の修正項目 | ||||||||||||||
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*ただし、野菜・果物の積極的摂取は、重篤な腎障害を伴うものでは、高K血症をきたす可能性があるので推奨されない。また、果物の積極的摂取は摂取カロリーの増加につながることがあるので、糖尿病患者では推奨されない。 |
図4-1 生活習慣修正に基づく降圧の程度(JNC7を改変)29) |
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減塩:食塩摂取量6g/日の減少で概算、DASH食:表4-2参照、減量:体重10kgの減少で概算、運動:少なくとも30分の早歩きをほとんど毎日施行、節酒:男性は30ml/日、女性は15ml/日以下のアルコール制限。。 |