(旧版)高血圧治療ガイドライン2004

 
第3章 治療の基本方針


4)その他の留意事項

b 長期治療(継続治療)

長期治療の目的は、目標降圧レベルを長期間にわたり維持して心血管病を予防することである。
高血圧の治療は、患者の苦痛や自覚症状が乏しく、治療は長期にわたるため、途中で来院しなくなる患者がいる。どうすれば通院を継続し、生活習慣の修正を心掛け、服薬を指示どおり継続してもらえるかを工夫することは、担当医師の重要な仕事である。医師の指示、助言に対して患者がその約束を守ること、またはその程度をコンプライアンスという。治療の継続を良好に保つためには医師は患者と十分なコミュニケーションを保ち、高血圧という病気、治療法、治療することによって期待される効果、降圧薬の予想されうる副作用などを十分に説明することである。降圧薬による血圧の低下を高血圧の治癒と勘違いして治療を中断してしまう場合がある122)ので、この点も十分な説明が必要である。十分な情報を提供することによって信頼を勝ち取り、良好な医師(医療機関)-患者関係を保つことが大切であり、医師との十分なコミュニケーションおよび医療機関のスタッフに対する患者の満足度は患者のQOLにも大きく影響する123)。長期治療においては血圧とともに他の危険因子の管理にも配慮する必要がある。また、患者の日常生活や社会生活に支障をきたすことがないようにQOLに配慮し、患者参加型治療が望ましい。
 
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