(旧版)高血圧治療ガイドライン2004
第1章 高血圧の疫学 |
3)日本人の高血圧の特徴
c 高血圧未治療者および管理不十分の問題
本邦の高血圧者における未治療者の割合は、140/90mmHg以上を高血圧とした場合、30、40歳代では8割から9割の人が治療を受けていない24,25,26)。少なくとも、この人たちは生活習慣の修正による血圧低下を図り、血圧の正常化に努める必要がある。50歳代で、男女とも未治療者が65%以上存在することは、非薬物治療も含め今後の循環器疾患予防の観点から重要な検討課題であるといえる。
大迫研究では、降圧治療患者における血圧管理状況を調査しているが、それでは約半数の患者が、通常の外来血圧で判定しても家庭血圧で判定しても、血圧管理が不十分であることを見出している27)。さらに、全国の主治医のもとで血圧治療を受けている患者の家庭血圧測定による治療状況の研究(J-HOME)では、1,533人の高血圧患者のうち約半数において、家庭血圧が高血圧に分類された28)。したがって、この研究においても、約半数が管理不十分であった。