(旧版)腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン (改訂第2版)
第4章 治療
■ Clinical Question 6
経皮的椎間板摘出術は顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術よりも優れた術式か
推奨
【Grade B】
経皮的椎間板摘出術の有効例が多くの報告から70%前後であること,顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術の適応例すべてに適応できないことを考慮すると,顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術よりも総合的に優れた術式とはいえない.
背景・目的
腰椎椎間板ヘルニアに対する経皮的椎間板摘出術は神経組織に侵襲が少なく,顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術後の神経根癒着などの防止に有効とされる.一方,経皮的椎間板摘出術を手術的治療と保存的治療の中間的療法として捉える考え方もあり,2つの治療法を単純に比較することはできない.したがって,手術的治療,中間的療法の各々で捉えた場合を考え,画像や臨床結果以外の項目も考慮し,顕微鏡視下椎間板ヘルニア摘出術と比較検討することが必要である.
解説
腰椎椎間板ヘルニアに対する経皮的椎間板摘出術の有効率は70%前後と報告されているが,単一椎間のcontained typeの椎間板ヘルニアに対するautomated percutaneous discectomyではMacNab criteriaで満足な結果は29%でしか得られず,顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術の80%に比べ有意に低い結果であり,特にL5/S1レベルのヘルニア例が不良であったと報告されている[(DF02052,EV level 7),(DF02126,EV level 6),(DF01566,EV level 4)].
同様のcontained typeのヘルニアに対する報告ではautomated percutaneousdis cectomyと顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術を単独で比較すると,その費用は後者が前者よりも2倍高いものの,臨床成績は良好であるとしている.しかし,automated percutaneous discectomy後の結果不良例に顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術を加えた場合と顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術後の結果不良例に再度同様の方法を加えた場合を総合的に検討すると,顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術の費用はautomated percutaneous discectomyの場合の68%になり,臨床成績も費用面でも顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術のほうが良好であったと報告されている(DF01565,EV level 4).
同様のcontained typeのヘルニアに対する報告ではautomated percutaneousdis cectomyと顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術を単独で比較すると,その費用は後者が前者よりも2倍高いものの,臨床成績は良好であるとしている.しかし,automated percutaneous discectomy後の結果不良例に顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術を加えた場合と顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術後の結果不良例に再度同様の方法を加えた場合を総合的に検討すると,顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術の費用はautomated percutaneous discectomyの場合の68%になり,臨床成績も費用面でも顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術のほうが良好であったと報告されている(DF01565,EV level 4).
文献