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（旧版）腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン
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引用文献
第4章 治 療
5 腰椎椎間板ヘルニア手術における顕微鏡視下椎間板ヘルニア摘出術と通常のヘルニア摘出術の間に術後結果に関して有意差が存在するか
推 奨
【Grade B】
術後における画像、臨床上の結果に関しては両群間には有意差はない。
【Grade C】
顕微鏡視下椎間板ヘルニア摘出術は術野が明るく鮮明で、止血が容易であり、黄色靱帯温存型手技が可能なことなど肯定的な報告が多く、否定的な見解はみられない。
【Grade B】
術後における画像、臨床上の結果に関しては両群間には有意差はない。
【Grade C】
顕微鏡視下椎間板ヘルニア摘出術は術野が明るく鮮明で、止血が容易であり、黄色靱帯温存型手技が可能なことなど肯定的な報告が多く、否定的な見解はみられない。
背景・目的
腰椎椎間板ヘルニア後方手術において顕微鏡の使用は標準化されつつあるが、使用する理由が各術者の経験論に終始する傾向がある。 顕微鏡使用による利点について術中、術後の観察から検討する。
解 説
術後の鎮痛薬の使用量、入院期間の短縮に関して顕微鏡の使用の有無による有意差はなかった［（DF01203, EV level 4）、（DF02114, EV level 4）］。 術後1年での自覚症状に有意差はなかった。CT画像上の術後硬膜外腔の瘢痕形成に有意差はなかった（DF02095, EV level 4）。 CT上の神経根の転位、あるいはMRI上の神経根の肥厚、造影効果増強、転位などの変化は術後臨床成績とは相関しなかった［（DF02095, EV level 4）、（DF00522, EV level 5）］。 一方、case-control studyではあるが418例の分析で、顕微鏡視下椎間板ヘルニア摘出術は合併症が少なく、術後の歩行や労働への復帰を早め、術後の転職率が低いことが示された（DF02488, EV level 6）。 顕微鏡視下椎間板ヘルニア摘出術では通常のヘルニア摘出術に比べ、小切開でより明るく鮮明な術野の把握ができ、止血が容易である。 また手術時間が若干短縮された（DF01203, EV level 4）。 また顕微鏡視下椎間板ヘルニア摘出術において黄色靱帯を温存し硬膜周辺の脂肪、血管組織を温存する方法は、通常の顕微鏡非使用のヘルニア摘出術に比べ、術後の画像上の硬膜外線維化を抑制し、また術後の疼痛抑制、職業復帰に関しても有意に良好であることが示されている（DF00087, EV level 6）。
文 献
| 1) | DF01203 | Henriksen L, Schmidt K, Eskesen V et al：A controlled study of microsurgical versus standard discectomy. Br J Neurosurg 10：289-293, 1996 |
| 2) | DF02114 | Tullberg T, Isacson J, Weidenheim L：Does microscopic removal of lumbar disc herniation lead to better results than the standard procedure? Results of a one-year randomized study. Spine 18：24-27, 1993 |
| 3) | DF02095 | Tullberg T, Rydberg J, Isacsson J：Radiographic changes after lumbar discectomy. Sequential enhanced computed tomography in relation to clinical observation. Spine 18：843-850, 1993 |
| 4) | DF00522 | Nygaard OP, Jacobsen EA, Solberg T et al：Nerve root signs on postoperative lumbar MR imaging. A prospective cohort study with contrast enhanced MRI in symptomatic and asymptomatic patients one year after microdiscectomy. Acta Neurochir（Wien）141：619-622, 1999 |
| 5) | DF02488 | Caspar W, Campbell B, Barbier DD et al：The Caspar microsurgical discectomy and comparison with a conventional standard lumbar disc procedure. Neurosurgery 28：78-86, 1991 |
| 6) | DF00087 | Aydin Y, Ziyal I, Duman H et al：Clinical and radiological results of lumbar microdiskectomy technique with preserving of ligamentum flavum comparing to the standard microdiskectomy technique. Surg Neurol 57：5-13, 2002 |
