(旧版)大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)
第2章 大腿骨頚部/転子部骨折の疫学
■ Clinical Question 3
骨折型別発生率の比較
解説
高齢者では大腿骨転子部骨折の発生率は大腿骨頚部骨折の約1.3〜1.7倍である.
エビデンス
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日本整形外科学会関連病院における,大腿骨頚部/転子部骨折の患者を1998から2000年の3年間調査した.回答率は各調査年において,40.5%から55.6%であった.この3年間において35歳以上の新しい頚部/転子部骨折110,747例を認めた.47,853例が頚部骨折,61,632例が転子部骨折だった.全体で転子部/頚部骨折比は1.3だった.65歳以上の転子部/頚部骨折比は1.4だった(元データを用い再計算).頚部骨折と転子部骨折の発生数を比較すると,75歳未満では頚部骨折が多く,75歳以上では転子部骨折が多かった.転子部/頚部比は,80〜84歳で1.5,85〜89歳で1.9,90〜94歳で2.2,95〜99歳で2.5だった(F2F02460). |
![]() 図1 年齢階級別大腿骨頚部/転子部骨折患者数(F2F02460, 一部改変) |
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1999年の新潟県での調査によると65歳以上の頚部骨折発生率は人口10万人当たり25.1,転子部骨折発生率は人口10万人当たり43.2で,転子部/頚部骨折比は1.73だった(F2J00103). |
文献