(旧版)大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン

 
第6章 大腿骨頚部骨折(いわゆる内側骨折)の治療

 


6.3 偽関節、骨頭壊死およびlate segmental collapse(LSC)発生の術前予測
6.3.4 血管造影で術前予測できるか

推 奨
【Grade C】
骨頭内静脈造影によって骨頭壊死発生の予測が可能である。

サイエンティフィックステートメント
骨頭内静脈造影は壊死予測に有用との中等度レベルのエビデンスがある(EV level III、EV level IV)。

エビデンス
術前intraosseous phlebographyと骨内圧を124例に施行した。受傷時の骨頭内髄内血行が壊死の発生予測に有効であった(FJ00783 , EV level III)。
39例に術前、骨頭の経骨髄静脈造影を施行した。骨癒合、壊死の可能性が予測可能であった(FJ02382, EV level III)。
103例を対象に、骨頭内静脈造影、骨シンチグラム、Garden分類を施行した。壊死の予見には骨頭内静脈造影の有用性が高かった(FF04466, EV level IV)。
73例に骨頭静脈造影を施行した。造影所見が悪い例で壊死発生率が高かった(80%)(FJ00264, EV level IV)。

文 献
1) FJ00783 紫藤徹郎,神谷光広:大腿骨頸部内側骨折の血行と骨接合術の予後.骨折 1997;19:36-40
2) FJ02382 紫藤徹郎,井上五郎,前田登:大腿骨頸部内側骨折の血行型と骨接合術の予後.Hip Joint 1985:28-31
3) FF04466 Takeuchi T, Shidou T:Impairment of blood supply to the head of the femur after fracture of the neck. Int Orthop 1993;17:325-329
4) FJ00264 川口佳邦,寺門淳,高橋憲正ほか:当院における大腿骨頸部内側骨折の検討.骨折 2000;22:35-39

 

 
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