EBMに基づく尿失禁診療ガイドライン

 
III 尿失禁診療ガイドライン
女性尿失禁診療ガイドライン

2. 腹圧性尿失禁の治療
(2) 薬物治療

<1> αアドレナリン受容体刺激薬
膀胱底、膀胱頸部および近位尿道にはαアドレナリン受容体が多く分布しており、αアドレナリン受容体刺激薬は尿道括約筋に対し収縮増強作用をもつ。このため、ISDによる腹圧性尿失禁をもつ患者において、αアドレナリン受容体刺激薬は流出抵抗の不足を補う効果を現わし、適切な投与によって腹圧性尿失禁を軽減できる可能性がある。わが国では腹圧性尿失禁に保険適応を認められているαアドレナリン受容体刺激薬はないが、喘息や起立性低血圧の治療薬として種々のアドレナリン作用増強薬が発売されており、循環器系の禁忌をもたない患者にこれらの薬剤を流用することは必ずしも不可能ではない。ただし、尿道内圧の測定を中心とする最近の調査では、強力なα1アドレナリン受容体刺激作用をもつ塩酸ミドドリンの投与により自覚的な改善感は得られたが、最大尿道閉鎖圧の有意な変化は得られなかったとの報告を認める32)
 
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