EBMに基づく尿失禁診療ガイドライン
III 尿失禁診療ガイドライン |
3. 治療
(4) その他の治療法と補助器具
<3> 間欠導尿
膀胱排尿筋の収縮力が弱いか下部尿路の閉塞のため、慢性的な尿閉状態にある場合に用いられる。(証拠の強度 : C)
末梢神経障害により膀胱排尿筋の収縮力が低い場合や脊髄損傷など、残尿のある状態では標準的な治療法となる。尿路感染症などの合併症はありうるが、カテーテル留置よりは少ないとされる。若年あるいは免疫能が正常であれば清潔テクニックでも良いが、免疫能の低下した高齢者では、尿路感染症を避けるため無菌的操作によるカテーテル挿入が望ましいとする意見もある。尿路感染症予防のために長期に抗生剤を投与するのは耐性菌が出現するので避けたほうがよい。尿路感染症の症状が出現した時に治療を行うのが原則である。認知機能に障害がなく意欲があれば、高齢者でも自己導尿は可能である。