EBMに基づく尿失禁診療ガイドライン
III 尿失禁診療ガイドライン |
2. 診断
(2) 評価
尿失禁を有する高齢者の多くは仕方がないこととすでにあきらめており、他疾患で医療機関を受診しても、尿失禁について相談することは少ない。医療側から、定期的に尿失禁の有無について質問していく姿勢が重要である。
これまで、尿失禁に関しては主に泌尿器科や婦人科が取り扱ってきたが、高齢者が急増している現況を考えれば、一般内科医や看護師が尿失禁の評価・治療に積極的に関わっていくのが望ましい。
基本的な評価の目的は、(1) 尿失禁の有無を確認すること、(2) 尿失禁の病態を把握すること、(3) 尿失禁の要因(表1)を取り除くことにより容易に改善するかどうか見極めること、(4) 治療を開始する前にさらなる評価が必要な患者を見極めること、(5) 可能なら診断を確定することにある。
表1 尿失禁の要因と対処 | ||||||||||||||||||
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