EBMに基づく尿失禁診療ガイドライン

 
II 尿失禁の基礎知識
尿失禁の基礎知識

5. 治療
(4) 薬物治療

腹圧性尿失禁においては、交感神経α刺激薬(塩酸エフェドリン)、β刺激薬(塩酸クレンブテロール)、三環系抗うつ薬(塩酸イミプラミン)などが選択肢となるが、効果には限界があり軽症者への長期投与にも問題があり、薬物治療は下部尿路リハビリテーションにおいて補助的に用いることが現実的である。閉経後の女性腹圧性尿失禁に対してエストロゲン補充療法が行われることがあるが、有効性については不明である。
切迫性尿失禁においては、薬物治療は中心的な治療であり、一般には塩酸オキシブチニン、塩酸プロピベリンなどの抗コリン薬が用いられる。その他、三環系抗うつ薬(塩酸イミプラミン)、塩酸フラボキセートなどが用いられることもある。抗コリン薬の長期投与における問題点は、口渇、便秘などの抗コリン作用に基づく副作用であり、最近トルテロジン、ダルフェナシンなどのより副作用の低い薬剤が治験中である。また、通常の治療に抵抗性の神経因性膀胱に基づく切迫性尿失禁に対して、カプサイシンやレジニフェラトキシンの膀胱内注入療法が実験的治療として試みられている。
 
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