EBMに基づく尿失禁診療ガイドライン
II 尿失禁の基礎知識 |
4. 診断
(6) 膀胱造影
膀胱に200mL程度の造影剤を注入し、膀胱の形態と位置異常の評価を行うもので、女性腹圧性尿失禁では立位、安静時および努責時の正面像で膀胱頸部の下垂(尿道過可動)と膀胱頸部の開大(内因性括約筋不全)の鑑別に役立つ(図8)。さらに、女子尿道を描出するために尿道内に細い金属製鎖を留置することにより、側面像で尿道と膀胱の位置関係についての情報が得られる(図8)。
図8 膀胱造影 |
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(A) : | 立位正面、安静時膀胱造影にて、膀胱頸部・尿道の開大がみられ、内因性括約筋不全が疑われる。 |
(B) : | チェーン膀胱尿道造影により尿道の描出が得られ、立位側面にて膀胱頸部が下垂し(尿道過動)、後部膀胱尿道角は約180度に関大している。 |