V. ガイドライン | | VI.薬物療法 | | 2.点眼 |
1)国内認可薬物 | |
勧告(ガイドライン) | a | 初期老人性白内障に対し、ピノレキシン、グルタチオン点眼薬の投与を考慮しても良いが、十分な科学的根拠がないため、十分なインフォームドコンセントを得た上で使用することが望ましい(グレードC)。 |
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エビデンス |
内服薬と同様、国内承認済の点眼薬についての有効性を検討したランダム化比較試験はきわめて少なく、十分に検討されていない。
その中で、ピノレキシンが有効であるという報告は、症例数が少ないこと、肉眼で行われた写真による混濁変化判定の非客観性等の問題がある1)(II)。
グルタチオンの検討では、混濁の軽度なものに有効であるという報告があるが、肉眼で行われた写真による混濁変化判定の非客観性等の問題がある2)(II)。
また、その症例の一部の写真から定量的に混濁増加を検討し有効性が報告されている3)(III)。 | | | 1) | 村田忠彦: 老人性白内障に対するカタリン点眼液の効果に関する二重盲検法による臨床的研究. 日本眼科紀要 31: 1217-1222, 1980 | 2) | 戸張幾生, 桐沢長徳, 馬嶋慶直, 清水由規, 尾羽沢大, 佐々木一之, 丸尾敏夫, 牧治, 高尾宗良: 初期老人性白内障に対するグルタチオン点眼用の臨床効果-二重盲検試験による検討-. 眼科臨床医報 76 (11): 1779-1787, 1982 | 3) | 河原哲夫, 尾羽沢大: 老人性白内障における長期経過の定量的解析-グルタチオン点眼用の臨床効果-. あたらしい眼科 1 (6): 864-867, 1984 |
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その他の参考文献 | ・ | 林博文, 西田哲夫: 老人性白内障に対するカタリン点眼液の効果. 日本眼科紀要30: 585-598, 1979 | ・ | 村田忠彦, 原敬三, 日隈陸太郎, 池間昌陸, 岡沢洋子: 老人性白内障に対する点眼治療薬の臨床効果についての検討. 日本眼科紀要 23: 836-842, 1972 | ・ | 古味敏彦, 内田幸子: 老人性白内障に対するカタリン点眼薬の効果について. 臨床眼科 16: 959-962, 1962 | ・ | 弓削経夫, 竹田仁, 小笹晃太郎: 老人性白内障の混濁型による進行とカタリン. あたらしい眼科 5 (11): 1615-1618, 1988 |
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