(旧版)EBMに基づく 胃潰瘍診療ガイドライン 第2版 -H. pylori二次除菌保険適用対応-
第3部 胃潰瘍診療ガイドラインの作成と評価 |
3.ガイドラインの評価
2)AGREEによるガイドライン評価
ガイドラインの評価基準としてAGREE(Appraisal of Guidelines for Research and Evaluation)が登場した。AGREE5)は診療ガイドライン評価の国際的統一基準をめざして,2001年にThe AGREE Collaboration6)により作成された。その使用者として,行政官,ガイドライン作成者,その利用者などを想定している。ガイドラインの質を評価する際に,6領域,23項目について,4:強く賛成する,3:賛成する,2:反対する,1:強く反対する,の4段階で評価し,領域ごとに標準化領域スコア(%)を算出する。スコアの算出にあたっては,複数の評価者の平均値を用いることができる。各領域は独立しており,各領域のスコアを統合するスコアを用いてはならない。ガイドライン全般の評価は,それぞれの領域のスコアに基づいて,4:強く推奨される,3:推奨される(条件付きあるいは改変して),2:推奨されない,1:どちらでもない,の基準で行われる。
6領域と23項目は表5に示す。作成委員11名により本診療ガイドラインに対する評価を行った。
表5 AGREEによるガイドライン評価 |
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以上の各項目の評価から各領域の標準化領域スコア(%)を算出すると次のようになる。
1.対象と目的 | : | 89% |
2.利害関係者の参加 | : | 52% |
3.作成の厳格さ | : | 94% |
4.明確さと提示の方法 | : | 71% |
5.適用可能性 | : | 56% |
6.編集の独立性 | : | 61% |