(旧版)EBMに基づく 胃潰瘍診療ガイドライン 第2版 -H. pylori二次除菌保険適用対応-
第1部 胃潰瘍の基礎知識 |
1.疫学
1)死亡統計
人口動態統計による胃潰瘍および十二指腸潰瘍の死亡者数は,1950年の19,323人から経年的に著しい減少傾向を示しているが,1990年以降は横ばいで2004年では3,409人となっている(図1)。その中にあって,加齢とともに死亡率が増加する傾向に変化はみられない。死亡統計は出血や穿孔を伴う合併症潰瘍の動向を反映していると考えられる。死亡率の減少を説明するものとして,国民の栄養の改善,受療機会の増加,診断・治療法の進歩などがあげられる一方,死亡率が高い高齢人口の増加を反映していることが推定される4)。
図1 胃潰瘍および十二指腸潰瘍死亡者数の推移
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資料:人口動態統計 |