(旧版)科学的根拠に基づく 乳癌診療ガイドライン 5 疫学・予防 2005年版

 
 
日本乳癌学会診療ガイドライン(疫学・予防)


4. エビデンスレベルの評価基準

いわゆるエビデンスレベルは,該当する研究のデザインが,どのくらい信頼性の高い結果を産み出しうるものであるかを示すものである。エビデンスレベルが高いとされる手法は偶然やバイアスの可能性が低く,信頼性が高い。逆にエビデンスレベルの低い研究方法では偶然やバイアスの可能性が高くなり,信頼性が低くなる。
本ガイドラインでは,オックスフォード大学EBMセンターのエビデンスレベルを採用した(日本語訳:表3)。

表3 疫学・予防研究のエビデンスレベル
レベル エビデンスの種類
1a 均質な1)ランダム化比較試験のシステマティック・レビュー
1b 信頼区間の狭い2)1個のランダム化比較試験
1c 全てか無か(all or none)3)
2a 均質なコホート研究によるシステマティック・レビュー
2b 1個のコホート研究(質の低いランダム化比較試験を含む:例えば追跡率80%未満のもの)
2c アウトカム研究
3a 均質な1)ケースコントロール研究によるシステマティック・レビュー
3b 1個のケースコントロール研究
4 症例集積研究と質の低いコホート研究やケースコントロール研究
5 明確な批判的吟味のない専門家の意見,生物学的研究結果,最初の観察
1) 均質な(with homogeneity):システマティック・レビューの対象となった個々の研究結果が同様,あるいは同程度の結果を報告しているもの。
2) 信頼区間(confidence interval)が狭い:対象症例が多い試験を意味する。
3) 全てか無か(all or none):ある治療を行う以前は全ての患者が死亡していたが,その治療の導入により患者が死なないようになった場合,または治療導入前には,死ぬ患者もいたが,治療導入により一人も死ななくなった場合。
出典: Oxford Centre for Evidence-Based Medicine Levels of Evidence(May 2001)
  http://www.cebm.net/

 

 
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