(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版
20.糖尿病の療養指導・患者教育
解説
3.専門研修を受けた療養指導士の活用
療養指導に必要な多岐にわたる事項を提供し,指導内容,指導法,患者の医学的,心理的状態,修得状況などを評価し,更なる指導にフィードバックして活用する効果的方法は,医療専門職によるチームによるアプローチである15),16),17).糖尿病という特異な分野における専門的教育研修を受けたコメディカルによる療養指導の効果は大きい2),13),14).ただし,専門看護師による指導の継続と,専門看護師を起用する時期,対象事項などは適切に選択する必要がある.
糖尿病療養指導士とは,糖尿病とその療養指導に関する幅広い専門知識をもち,患者の生活や社会的条件を理解し,適切な自己管理ができるように援助する役割を持つコメディカルである.わが国における日本糖尿病療養指導士の受験資格は,看護師,管理栄養士,薬剤師,臨床検査技師,理学療法士の国家資格を有するもののうち定められた基準を満たすものにある.この検定に合格することは,糖尿病臨床における生活指導のエキスパートとして認められることである.療養指導は治療そのものであるとする立場から,さらに主治医が治療上の最終責任を負うことから,その業務は,医師の治療方針に基づいて,日本の医療法で定められている各医療専門職の業務に則って行われるa).
療養指導士にとって患者教育とは「個々の患者の生理,心理,社会的ニーズを評価する」ことから始まり,糖尿病に関する知識と自己管理行動の修正を中心となるカリキュラムを作成し,それに基づいて目標を立てる.教育計画の実行は,これまでに確立されている指導―学習の理論と生活スタイルのカウンセリングを取り込んで行う.さらに患者の自己管理能力と知識,理解度,遵守度,その必要性の再認識などを評価し,療養指導を通して起こるすべてを適切に記述しチーム内の共通の情報とする責務を持つ18).
糖尿病療養指導士とは,糖尿病とその療養指導に関する幅広い専門知識をもち,患者の生活や社会的条件を理解し,適切な自己管理ができるように援助する役割を持つコメディカルである.わが国における日本糖尿病療養指導士の受験資格は,看護師,管理栄養士,薬剤師,臨床検査技師,理学療法士の国家資格を有するもののうち定められた基準を満たすものにある.この検定に合格することは,糖尿病臨床における生活指導のエキスパートとして認められることである.療養指導は治療そのものであるとする立場から,さらに主治医が治療上の最終責任を負うことから,その業務は,医師の治療方針に基づいて,日本の医療法で定められている各医療専門職の業務に則って行われるa).
療養指導士にとって患者教育とは「個々の患者の生理,心理,社会的ニーズを評価する」ことから始まり,糖尿病に関する知識と自己管理行動の修正を中心となるカリキュラムを作成し,それに基づいて目標を立てる.教育計画の実行は,これまでに確立されている指導―学習の理論と生活スタイルのカウンセリングを取り込んで行う.さらに患者の自己管理能力と知識,理解度,遵守度,その必要性の再認識などを評価し,療養指導を通して起こるすべてを適切に記述しチーム内の共通の情報とする責務を持つ18).