(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版
8.糖尿病腎症の治療
ステートメント
1.治療の原則

血糖コントロールは,糖尿病腎症の発症・進展を抑制する.
厳格な血圧管理(目標130/80mmHg未満)は,糖尿病腎症の発症・進展を抑制する.
厳格な血圧管理(目標130/80mmHg未満)は,糖尿病腎症の発症・進展を抑制する.
2.早期腎症の治療
厳格な血糖コントロールは,1型糖尿病や2型糖尿病患者における糖尿病腎症の進展を抑制する1),2),3),4).
レベル1
1型糖尿病で微量アルブミン尿を示す患者では,アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬を用いると顕性腎症への進展を抑制することが報告されているため,ACE阻害薬を用いた治療が勧められる5),6),7),8),9),10).
レベル2+
微量アルブミン尿を呈する2型糖尿病患者において,降圧薬投与[特に,ACE阻害薬,アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)]による血圧のコントロールは顕性腎症への進展を抑制する11),12),13),14),15),16),17),18),19),20).
レベル1 正常血圧の患者に対しても,ACE阻害薬は顕性腎症への進展を予防する21),22),23),24),25).
レベル2

1型糖尿病で微量アルブミン尿を示す患者では,アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬を用いると顕性腎症への進展を抑制することが報告されているため,ACE阻害薬を用いた治療が勧められる5),6),7),8),9),10).

微量アルブミン尿を呈する2型糖尿病患者において,降圧薬投与[特に,ACE阻害薬,アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)]による血圧のコントロールは顕性腎症への進展を抑制する11),12),13),14),15),16),17),18),19),20).


3.顕性腎症の治療
顕性腎症期の患者に対しては,ACE阻害薬もしくは,ARBを中心とした治療を行う.
顕性腎症を合併した1型糖尿病患者において,ACE阻害薬は腎機能の悪化を抑制する26),27).
レベル1
顕性腎症を呈している2型糖尿病患者において,ACE阻害薬・ARBは腎機能の悪化を抑制する28),29),30),31).
レベル1
ACE阻害薬やARBで上述した降圧目標に達しないときは,他の種類の降圧薬(長時間作用型カルシウム拮抗薬,β遮断薬,利尿薬など)を併用する.

蛋白制限食は,1型糖尿病患者の腎症の進行を抑制する可能性がある32),33),34),35),36),37),38),39).
レベル2+ また,2型糖尿病患者でも蛋白制限食の指導が勧められる40), a) . 
また,高血圧・浮腫が合併している症例では,減塩の指導をすべきである. 

顕性腎症を合併した1型糖尿病患者において,ACE阻害薬は腎機能の悪化を抑制する26),27).

顕性腎症を呈している2型糖尿病患者において,ACE阻害薬・ARBは腎機能の悪化を抑制する28),29),30),31).

ACE阻害薬やARBで上述した降圧目標に達しないときは,他の種類の降圧薬(長時間作用型カルシウム拮抗薬,β遮断薬,利尿薬など)を併用する.


蛋白制限食は,1型糖尿病患者の腎症の進行を抑制する可能性がある32),33),34),35),36),37),38),39).




