(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版
7.糖尿病網膜症の治療
解説
2.病態
糖尿病では網膜の血管壁細胞の変性,基底膜の肥厚による血流障害,血液成分の漏出が原因で出血,白斑,毛細血管瘤,網膜浮腫などの初期病変が発症する.高度に進行すると網膜前および硝子体内に新生血管が生じ,硝子体出血や網膜餝離を起こして視力障害に陥る.黄斑浮腫は糖尿病網膜症のどの時期にも発生しうる病変であり,単独でも高度な視力障害をきたすことがある.一方,血管新生緑内障は高率に失明につながる末期合併症である.