文献 | 対象 | 試験デザイン | 結果・考案・副作用 | 評価 |
Lai et ai1)
1993 | - 132
- 20〜75歳
- 吸入ステロイド(BDPの場合400〜1,200μg/日)および吸入β2刺激薬使用症例で,吸入ステロイド50%減量により症状点数10点以下低下例
| - ネドクロミル(4mg4回/日)(C群),Pプラセボ群(P群)
(多施設,プラセボ対照,二重盲験) - 4+6週
- 症状点数,β2刺激薬使用量,肺機能(ピークフローなど)
| - 総計症状点数低下:P
- 吸入β2刺激薬使用低下:P
- 結論:クロモリンおよびネドクロミルは低〜中等量の吸入ステロイド使用喘息患者の症状改善に有用であるが後者の方が効果大。両者はステロイドの減量効果も持つ。
| II
A |
Furukawa C et al2)
1999 | - 280(HFA94,CFC91,P95)
- 12歳以上
- クロモリン中止により,最低限の症状,肺機能低下を有する喘息患者
| - ハイドロフルオロアルケーン(HFA)使用のクロモリンMDI,クロロフルオロカーボン(CFC)使用クロモリンMDI,またはプラセボ(P)の2mg2回/日(プラセボ対照・二重盲検・パラレル・29施設)
- 12週
- 症状点数,吸入サルブタモール(β2刺激薬)使用量,ピークフロー,肺機能,患者の印象,医師の印象
| - 症状点数
HFA群>P群 P<0.05(差20〜33) - 吸入サルブタモール使用量
HFA群>A群>P群
P<0.05(差35%)
- 効果に関する患者の印象
HFA群>P(P=0.11)
CFC>P(P=0.006) - 同,医師の印象
CFC群>P群(P=0.001)
HFA群>P群(P=0.042) - 副作用3群間に有意差なし
- 結論:HFA使用クロモリンMDIは12歳以上で安全であり,CFC使用と同等の安全性,有効性を有する。
| II
A |
Medici et al3)
1989 | | - 徐放性ケトチフェン1mg2回/日(K群),プラセボ群(P)(多施設,プラセボ対照,二重盲検)
- 4+12週
- 症状,吸入β2刺激薬使用量,肺機能(ピークフローなど)
| - 喘息発作および咳,喘息改善:P
- ピークフロー:K,P(NS)
- 吸入β2刺激薬使用低下:P
- 副作用:軽〜中等度の,鎮静・眠気・だるさP26%
- 結論:徐放性ケトチフェン症状改善に有用である。
| II
A |
Azelastine-Asthma
Study Group6)
1996 | - AZT 115例
AL 118例
P 117例 - 12〜74歳
- 40%1.0が15%以上の改善例
| - 経口薬
アゼラスチン4mg 2回/日(AZT群),サルブタモール(β2刺激薬)4mg2回/(AL群),の比較(二重盲験,他薬およびプラセボ対照・多施設)
- 2+16週
- 喘息点数,治療点数,臨床検査,副作用,肺機能(FEV1)
| - 喘息点数AZT群はP群に比し減少,(ただし有意差なし)。AL群はP群に比し減少(p<0.05)
- 治療点数は全般的にAZT群でP群より2.5倍の減少(p<0.024)
- FEV1:AZT群で味覚の変化,体重の微増
- 結論:アゼラスチンは肺機能を全般的に改善し,他の抗喘息薬の減量効果がある。
| II
A |
Busse WW et al7)
1996 | - 193 (AZT128:K65)
- 12〜77歳(平均AZT42.8,P41.3)
- 吸入ステロイド(ベクロメタゾン)6〜16回/日 使用中の慢性喘息
| - 経口薬アゼラスチン(AZT)6mg2回/日とケトチフェン(K)との効果比較(二重盲験・他薬対照・多施設)
- 2(観察)+4(AZT or P)+4(同+吸入ステロイド減量)+12(吸入ステロイド維持量)週
- 吸入ステロイド使用量の減少度で判定
| - AZT群で全般的な吸入ステロイドの使用減少中央値は4.9,K群で3.1パフ/日(P<0.01)
- 吸入ステロイド使用量減少>50%はAZT群53%,K群34%減少>75%はAZT群75%K群 14%(有意差あり p<0.028)
- 結論:アゼラスチン6mg2回/日投与は吸入ステロイド必要量を減少させ,肺機能を悪化させない
| II
A |
Hoshino M et al8)
1997 | - 24(AZT13,P11)
- 16〜48(平均)24歳
- アトピー性,軽〜中等症,抗炎症薬無使用
| - 経口薬アゼラスチン(AZT)6mg2回/日とプラセボ(P)との効果比較(二重盲験・他薬対照・1施設)
- 2週+3ヶ月
- 喘息症状点数,ピークフロー,メサコリンに対する気道過敏性,気管支生検
| - 喘息症状点数改善:AZT>P(p<0.01)
- ピークフロー増加:AZT>P(p<0.01)
- ピークフロー日内変動減少:AZT>P(p<0.001)
- メサコリン過敏性NS
- 気管支生検でのTリンパ球および活性化好酸球の減少:AZT>P(p<0.001〜0.05)これらの変化と症状点数改善は相関した
- 結論:喘息に対するアゼラスチンの効果は局所の炎症細胞浸潤の修飾による。
| II
B |
Hoshino M et al9)
1999 | - 31(S16,P15)
- 16〜54歳
- アトピー性,軽〜中等症,抗炎症薬無使用
| - 経口薬AA-2414セラトロダスト(S)80mg/日(S群)あるいはプラセボ(P群)の効果比較(二重盲験・他薬対照・1施設)
- 2週+4ヶ月
- 喘息症状点数,ピークフロー,メサコリンに対する気道過敏性,気管支生検
| - 喘息症状点数,ピークフロー,ピークフロー日内変動,メサコリン過敏性改善:S>P(p<0.01〜0.05)
- 気管支生検:上皮中および粘膜下の炎症細胞の減少 S>P(P<0.01〜0.05)
- 結論:セラトロダスト治療効果は活性化好酸球浸潤の抑制と,気管支組織中のケモカイン発現の修飾による。
| II
B |
Barnes NC et al11)
1997 | - 135(H45,L46,P44)
- 18〜70歳
- FEV1.050〜80%でサルブタモール200〜400μg吸入30分後に15%以上改善の喘息患者。吸入ステロイド(ベクロメタゾン)使用率P70.5,H60.0,J60.9%
平均約800μg/日
| - 経口薬
プランルカスト33.5mg(H),225mg(L),プラセボ(P)を分2/日(二重盲検,プラセボ対照・多施設,ヨーロッパ) - 2+4週
- 臨床症状,臨床検査,副作用,肺機能
| - 総症状点数低下P
- 副作用:有意差なし,重篤なものなし
- 朝のピークフロー:全ての時期でH>P(p<0.01〜0.05)。1,2週時L>P(p<0.01〜0.05)。H,L有意差なし。
FEV1.0:4週時L>P(p<0.05) - 結論:プランルカストは安全で喘息に有用である。吸入ステロイド使用者にも有効である。
| II
A |
Spector SL et al13)
1994 | - 276(Z 10mg66,20mg 67,40mg 67,P66)
- 成人
- 中等症喘息で吸入β2刺激薬のみ,あるいは同薬とテオフィリン薬を併用し,FEV1.0予測値の40〜75%,喘息点数>10/連続7日間
| - ザフィルルカスト(Z)5,10,20mg2回/日またはプラセボ(P)
(プラセボ対照,二重盲検,多施設) - 1+6週
- 症状点数,肺機能,吸入サルブタモール(β2刺激薬)使用量
| - Z群で用量依存的に症状改善あり,副作用増加なし
- 有効性(夜間覚醒*,早朝症状点数,日中喘息症状**,吸入サルブタモール使用量***の各減少):Z群>P群(P<0.05)
前値に比し*46%,**26%,***30%減少 - 結論:ザフィルルカストは中等症喘息の主観的,客観的喘息重症度を改善する
| II
A |
Fish JE et al14)
1997 | | - ザフィルルカスト(Z)200mg2回/日またはプラセボ(P)(プラセボ対照,二重盲検,多施設)
- 1+6週
- 症状点数,吸入β2刺激薬使用量,肺機能,副症状,臨床検査,心電図,理学所見
| - Z群はP群に比し以下の項目で有意に改善。
日中症状点数(-26%),有喘息症状の朝(-29.0%),吸入β2刺激薬使用量(-22.3%),夜間覚醒(-19.8%),朝のピークフロー(+6.9%),FEV1.0(+6.3%)。Z群で2日以内に改善 - 副作用(咽頭痛,頭痛)両群で有意差なし。諸検査変化なし
- 結論:ザフィルルカストは軽〜中等症喘息に早期かつ持続的改善をもたらす
| II
A |
Hamilton A et al16)
1998 | | - プランルカストの450mg 2回/日(PR群)またはプラセボ(P群)
(二重盲検・プラセボ対照・交差試験,1施設) - 5.5日/週
- 最終投与2時間後にアレルゲン吸入誘発試験,その前後24時間にメサコリン気道過敏性試験
| - 吸入誘発による1秒率低下,平均(SEM):即時型反応時:P30(5.1)%>PR15.5(3.5)%,遅発型反応時:P34.7(5.3)%>PR24.0(4.4)%
- メサコリンPC20:P-1.6
- 結論:プランルカストはアレルゲン誘発の際の即時型および遅発型喘息反応と気道過敏性亢進を抑制する。
| II
A |
Tamaoki J et al20)
1997 | - 79
(P37,ONO42) - 21歳
- 吸入BDI>1500μg/日を6週以上使用患者
| - 観察期間2週後吸入ステロイドのBDIを半減しONO-1078(プランルカスト)の450mg2回/日(ONO群)またはプラセボ(P群)
(二重盲検・プラセボ対照・4施設) - 2+6週
- 臨床症状,β2刺激薬吸入量,副作用,肺機能
| - P群 FEV減少(p<0.05)朝のピークフロー減少(P<0.001),ONO群 FEV,ピークフローの変化なし
- P群 喘息症状およびβ2刺激薬使用量増加,ONO 同上の変化なし
。 - P群 血清ECPの増加
(p=0.007),呼気NOの増加p=0.025),ONO群:同上の変化なし
- 結論:プランルカストは吸入ステロイド半減後6週間の喘息悪化を阻止する。
| II
A |
Myou S21)
1995 | |
1 .2 .3. 経口薬テルフェナジン60mgまたはプラセボ2回/日。最終投与はアルコール負荷2時間前。異なる日に同一ブランド,同一量のアルコールを飲用。ピークフローを経時的に2時間まで測定(二重盲検・プラセボ対照・交差試験1施設) | - アルコール負荷後のピークフロー減少率%:15,30,45,60,90,120分のいずれにおいてもプラセボ群>テルフェナジン群(有意差あり)
- 結論:ヒスタミンH1レセプター拮抗薬はアルコール飲料誘発喘息予防に有効の可能性がある。
| II
B |
Yamamoto H22)
1994 | | - 4週間隔で回吸入誘発試験(二重盲検・交差・1施設)
1日目:ONO-1078(プランルカスト)112.5mg,2カプセルまたはプラセボ)。2日目:7:00AM同上服用,10:00AM0.08%Dyデイプロン(ピラゾロン誘導体解熱鎮痛薬)吸入,30分後FEV減少率<20%であれば5倍濃度吸入,以下同様操作
| - 治療前のデイプロン(解熱鎮痛薬)誘発閾値:0.4%4例,2%8例。ONO-1078投与後のデイプロン誘発閾値:10%2例,10%以上で誘発されず4例
- デイプロンPD20:プラセボ21.9+ 8.2>ONO31.1+40.3単位(M+ SEM)(p<0.00)
- ONO-1078血清レベル>0.5μg/mLで完全に抑制される
- 結論:ONO-1078(プランルカスト)は鎮痛薬喘息の予防に有用である。
| II
B |