文献 | 対象 | 試験デザイン | 結果・考案・副作用 | 評価 |
Ostermanら5) 1997 | | - ブデソニド400μg/日とプラセボの比較(多施設,二重盲検パラレル比較試験)
- 18ヶ月
- 症状,肺機能,気道過敏性,吸入β2刺激薬回数,血中,MPO,ECP,ECA,NCA
| - ブデソニド400μg/日はプラセボにくらべ有意にピークフロー値,気道過敏性を改善する。
- 症状,炎症マーカーは差はあるが有意ではなかった。
- ブデソニドの中止によりその効果は長続きしなかった。
| II
A |
Converyら9)
2000 | | - フルチカゾン2,000mcg/dayとプラセボの気道過敏性におよぼす影響を評価(randomised double-blind
placebo-controlled parallel group study)
- 6週
- 気道過敏性
| - 6週間の時点でフルチカゾンはプラセボに比較して有意に気道過敏性を改善した(DD1.9)この改善は,男性で優れていた。治療の中断によりこの改善は維持されなかった。
| II
A |
Reedら11)
1998 | | - ベグロメタゾン84μg4回/日と内服テオフィリン(至適量)との比較(多施設,二重盲検,プラセボ比較試験)
- 1年
- 症状,肺機能,気道過敏性,吸入β2刺激薬回数,受診回数,欠勤日数,欠席日数,血漿コーチゾール
| - テオフィリンは従来の推奨濃度より低濃度で効果が認められるが,ベグロメタゾンが全ての指標で有意に改善するが,その差は少ない。
- 効果・副作用比からみると多くの成人喘息,小児喘息患者では吸入ステロイド薬が第一選択である。
| II
A |
Malmstromら12)
1999 | | - ベグロメサゾン400μg/日,内服モンテルカスト 10mg/日,プラセボの比較(二重盲検,プラセボ,パラレル比較試験)
- 12週
- 症状,肺機能,吸入β2刺激薬回数,QOL
| - 慢性喘息患者においてベグロメサゾンP400μg/日の効果はモンテルカストに比較し優れていたが,モンテルカストもプラセボに比較し有意に効果的である。
| II
A |
文献 | 対象 | 試験デザイン | 結果・考案・副作用 | 評価 |
Woolcockら15)
1996 | - 738
- >16
- BDP1,000μg/日でコントロールされない喘息患者
| - ベクロメタゾンP1,000μg/日+サルメテロール50/100μg2回とベグロメサゾン2,000μg/日の比較(多施設,二重盲検,パラレル比較試験)
- 24週
- ピークフロー値,一秒量,症状,吸入β2刺激薬回数,発作回数,気道過敏性
| - ベクロメタゾン2,000μg/日よりBDP1,000μg/日+サルメテロール50/100μg2回いずれもが臨床指標を改善した。
| II
A |
Pauwelsら16)
1997 | | - ブデソニド200μg/日,ブデソニド800μg/日にフォルモテロール12mcg2回/日の追加効果の検討(多施設,二重盲検,パラレル比較試験)
- 12ヶ月
- 発作頻度,症状,肺機能
| - フォルモテロール追加はBUD 200/800μg/日にかかわらずピークフローを更に改善し,発作頻度を減らした。
| II
A |
Cromptonら19)
1999 | - 112
- 18〜74
- 吸入ステロイド薬400〜2,000μg/日もしくは内服ステロイド薬<20mg/日の喘息患者
| - 内服バンブテロール20mg1回/日とサルメテロール50mcg2回/日の比較(多施設,二重盲検,プラセボ,パラレル比較試験)
- 6週
- ピークフロー値,夜間症状,吸入β2刺激薬回数
| - 朝のピークフロー値の改善は2群間に差はなかった。その他の指標も同様であった。
| II
A |
文献 | 対象 | 試験デザイン | 結果・考案・副作用 | 評価 |
Ukenaら17)
1997 | - 133
- 18〜70
- ベクロメタゾン400μg/日でコントロールされない喘息患者
| - ベクロメタゾン400μg/日+内服テオフィリンとベグロメタゾン800μg/日の比較(多施設,二重盲検,パラレル比較試験)
- 6週
- 肺機能,ピークフロー値,症状,β2刺激薬吸入回数
| - ベクロメタゾン400μg/日+内服テオフィリンとベクロメタゾン800μg/日群ではほぼ同等の効果であった。
| II
A |
Evansら18)
1997 | - 62
- 18〜67
- ブデソニド800〜1,000μg/日でコントロールされない喘息患者
| - ブデソニド800μg/日+内服テオフィリンとブデソニド600μg/日(二重盲検,プラセボ比較試験)
- 3ヶ月
- ピークフロー値,肺機能,発作回数,症状,吸入β2刺激薬回数,theophylin濃度
| - 中等症喘息患者でブデソニド800μg/日+内服テオフィリン群とブデソニド 1,600μg/日では同等の効果であった。
- テオフィリン濃度は推奨濃度以下で達成された。
| II
A |
文献 | 対象 | 試験デザイン | 結果・考案・副作用 | 評価 |
Lavioletteら21)
1999 | - 642
- コントロールされていない吸入ステロイド薬使用喘息患者
| - モンテルカスト10mg,モンテルカスト+ベクロメタゾン,ベクロメタゾン単独の比較(多施設無作為割付二重盲検パラレル比較試験)。
- 16週
- ピークフロー値,肺機能,発作回数,症状,吸入β2刺激薬回数
| - ベクロメタゾンにモンテルカストを追加投与した群で,ベクロメタゾンのみの群と比べて有意にFEV1が改善した(5.08%vs0.72%)。また日中の喘息症状も有意に改善した。blindでベクロメタゾンを中止した群では,モンテルカストおよびプラセボ両群ともにFEV1.0,喘息症状の悪化を来したが,有意にモンテルカスト群が軽微となった。
| II
A |
Tamaokiら25)
1997 | - 79
- >20
- BDP>1,500μg/日以上使用喘息患者
| - ベクロメタゾン半量へのプランルカスト450mg/日,プラセボの効果(多施設,二重盲検,プラセボ比較試験)
- 6週
- 症状,肺機能,ピークフロー値,吸入β2刺激薬回数
| - プラセボ群ではピークフロー値,FEV1.0がプランルカスト450mg/日に比較し有意に低下し,コントロールも悪化した。
- プランルカスト450mg/日群はほぼ観察期のコントロールを維持した。
| II
A |
Lofdahlら26)
1999 | - 226
- 16〜70
- 高用量吸入ステロイド薬使用喘息患者
| - モンテルカスト10mg/日とプラセボの吸入ステロイド薬減量効果の比較(多施設,二重盲検,プラセボ,パラレル比較試験)
- 12週
- 吸入ステロイド薬減量
| - 吸入ステロイド薬減量はモンテルカスト10mg/日群47%とプラセボ群30%とでは有意にモンテルカスト群が優れていた。
| II
A |
文献 | 対象 | 試験デザイン | 結果・考案・副作用 | 評価 |
Aaronsonら31)
1998 | | - ブデソニド800,1,600,3,200μg/日(Turbuhaler),oral
PSL10mg/日,プラセボのHPA機能への評価(二重盲検,プラセボ,パラレル比較試験)
- 6週
- 血清コルチゾール,rapid ACTH試験
| - rapid
ACTH試験でのHPA抑制はブデソニド800,1,600,3,200μg/日(Turbuhaler)各群,プラセボ群でそれぞれ,13,11,27,35,.4%であった。
- ブデソニド3,200mcg/日群,oralPSL群でのみその低下は有意であった。
| II |
Liら33)
1999 | | - フルチカゾン176/440μg/日,トリアムシノロン800μg/日,oral PSL10
mg/日,プラセボのHPA機能抑制比較(多施設,二重盲検,プラセボ,パラレル比較試験)
- 4週
- rapid ACTH試験
| - HPA抑制の程度はフルチカゾン176/440μg/日はプラセボと同等であり,oralPSL群に比較し有意に少なかった。
| II |
Hughesら35)
1999 | | - フルチカゾン1,000μg/日,ブデソニド 1,600μg/日骨への影響の比較。MDI:大型スペーサー使用(オープン,パラレル比較試験)
- 1年
- 骨代謝指標(osteocalcin等),BMD,血清コルチゾール
| - フルチカゾン1,000μg/日もしくはブデソニド1,600μg/日の大量投与によっても12ヶ月後に骨の著変は見られなかった。
- 血清コルチゾールの低下も見られなかった。
| II |
Pauwelsら36)
1998 | - 391
- 中等症〜重症の成人喘息患者(BDPまたはブデソニド 800〜2,000μg/day使用)
| - ランダム期間に,使用中の吸入ステロイドをベクロメタゾン500μg/dayまたはフルチカゾン 250μg/dayに変更した。6ヶ月後,薬剤をクロスオーバーした(a
double-blind,
multicenter, cross-over study) - 1年
- 朝の血漿コルチゾル値,オステオカルシン値,尿中カルシウム,ヒドロキシプロリン排出,尿中クレアチニン値,肺機能(FEV1.0,
FVC),朝夕のピークフローR,サルブタモールのrescue useの回数,症状点数,QOLスコア
骨密度(BMD)
| - ベクロメタゾン群,フルチ朝の血漿コルチゾル値,尿中ヒドロキシプロリン排出,FEV,ピークフローRに,研究期間中いずれの時点でも有意差を認めなかった。フルチカゾン群でカルシンとBMDが基礎値より改善し,BDP群と比較して,血清オステオカルシン値がより高値で,腰椎,大腿骨頸部,Ward's
triangleにおけるBMDがより高値であった。
| II |
Mediciら37)
2000 | | - フルチカゾン400μg/day,ベクロメタゾン800μg/day,フルチカゾン750μg/day,ベクロメタゾン
1,500μg/dayの骨への影響の比較(a multicentre, double blind, randomised, parallel
group study)
- 12ヶ月
- オステオカルシン,P1CP,ICTP,尿中カルシウム,リン,クレアチニン,hydroxyproline,デオキシピリジノリン,BMD
| - 12ヶ月の研究期間中,いずれの群においても,基礎値に比べてdistal radius,
tibiaの骨の喪失は認められなかった。治療6ヶ月,12ヶ月後の骨形成,骨吸収のマーカーに基礎値からの変化貫した傾向は認められなかった。
| II |
Eganら38)
1999 | - 33
- 吸入ステロイド1,000〜2,000μg/day使用中の中等症〜重症の喘息患者
| - フルチカゾン1,000μg/dayまたはベクロメタゾン 2,000μg/dayの骨への影響の評価(前向き二重盲検ランダム化試験)
- 24ヶ月
- 骨密度測定(bone densitometry scan)。骨マーカー(血清オステオカルシン,骨ALP, procollagen
type1 carboxy terminal propeptide(P1CP),デオキシピリジノリン,C-telopeptide of type
1 collagen)
| - フルチカゾン群では骨密度の低下の証拠は認められなかった。ベクロメタゾン群ではわずかに低下が認められた。フルチカゾン群とBDP群間で,12ヶ月(p=0.0006),24ヶ月(p=0.004)でCT定量値に有意差が認められた。
| II |