(旧版)「喘息ガイドライン作成に関する研究」平成11年度研究報告書/ガイドライン引用文献(2000年まで)簡易版抄録を掲載

 

(6) 寄生虫感染

前文

寄生虫感染が喘息の発症に寄与するかどうかが確定していないことと,我が国においては現在寄生虫の感染率が非常に低いことから,発症に対する予防対策としての重要性は低い。

推奨:寄生虫感染があれば駆虫治療を行うべきである。(C)
科学的証拠

寄生虫と喘息の関連で検索すると63が検索されたが,コントロール試験は6編であった。

血中IgE抗体の増加をきたす寄生虫感染が喘息の発症にどのように影響するかは,現在のところ明らかでない。しかし,消化管の寄生虫が風土病の地域において,アルベンダゾールによる駆虫治療を一年間うけた喘息患者群は,うけなかった群に対して明らかに喘息の重症度,症状が軽減したとの報告40)がある。この事実は,寄生虫感染が各種抗原に対する反応性を非特異的に亢進させることを示唆している。

(RCT)

論文コード
(年代順)
対象試験デザイン結果評価
Lynchら40)
1997
89例,
18.5±14.6歳
喘息患者
腸内寄生虫の駆虫剤(albendazol)の治療群 vs 未治療群
1年間
albendazol治療群では,未治療群に比し喘息発作の回数が減少した。同様にIgEレベルとダニに対するskin testの反応も低下したII-C

結語

寄生虫感染の喘息発症への影響はまだ不明な点が多く,確定されていない。

 
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