(旧版)「喘息ガイドライン作成に関する研究」平成11年度研究報告書/ガイドライン引用文献(2000年まで)簡易版抄録を掲載

 

厚生科学研究費補助金(医療技術総合研究事業)
喘息ガイドライン作成に関する研究


主任研究者 宮本昭正国立相模原病院 名誉院長
日本臨床アレルギー研究所 所長
東京大学名誉教授

研究要旨:厚生労働省の要望に基づき,喘息(成人・小児を含む)の専門家を網羅し,国内外の発表論文を広く検索し,EBM(Evidence Based Medicine)に基づいて医師や医療従事者に役立つ喘息治療のガイドラインを一応完成した。この業務に当っては何回か会合を重ね,それぞれの立場から原稿を修正し,さらにまた非専門家の医師にも目を通してもらった。論文を通読し,それをまとめて表にし,評価し,それに基づいて推奨するということは至難の業である。幸い班員や研究協力者の方々のご協力により本ガイドラインが完成したわけである。本著は大変科学的ではあるが,実用化という点では煩雑で,使用しづらいという難点がある。しかも,まだまだ不十分な点があることは否めない。このガイドラインを一つの基準にして,更によりよいものが出来る事を期待したい。  なお,本著とは別に"患者用"及び"一般医用"のものも同時に作成した。これは,本著は専門家には大変参考になるが,患者さんや一般の実地の臨床家にとっては難解であるので,この欠点を補うためにこれをこういった小冊にまとめて実際に使い易い様にしたものである。あわせて御参考にしていただきたい。



 

喘息ガイドライン作成研究班委員リスト

<班長>宮本 昭正日本臨床アレルギー研究所所長,東京大学名誉教授
以下五十音順
<顧問>伊藤 幸治同愛記念病院顧問
可部順三郎湯河原厚生年金病院院長
中島 重徳近畿大学医学部奈良病院呼吸器・アレルギー内科
古庄 巻史市立岸和田市民病院院長
牧野 荘平東京アレルギー疾患研究所,獨協医科大学名誉教授
真野 健次帝京大学名誉教授
三河 春樹関西電力病院院長
<班員>秋山 一男国立相模原病院臨床研究部部長
足立 満昭和大学医学部第一内科教授
飯倉 洋治昭和大学医学部小児科教授
山本 一彦東京大学医学部アレルギー・リウマチ科教授
<研究協力者>石原 享介神戸市立中央市民病院呼吸器内科医長
大田 健帝京大学医学部内科教授
奥平 博一東京大学医学部アレルギー・リウマチ科講師
工藤宏一郎国立国際医療センター副院長
佐野 靖之同愛記念病院アレルギー呼吸器科部長
鈴木 直仁同愛記念病院アレルギー呼吸器科医長
高橋 清国立療養所南岡山病院院長
田村 弦東北大学医学部第一内科講師
冨岡 玖夫東邦大学医学部付属佐倉病院内科教授
鳥居 新平名古屋大学名誉教授
中川 武正聖マリアンナ医科大学東横病院第一内科教授
中澤 次夫群馬大学医学部保健学科教授
中野 純一帝京大学医学部内科
西間 三馨国立療養所南福岡病院院長
福田 健獨協医科大学アレルギー内科教授
堀内 正関東中央病院
松井 猛彦都立荏原病院小児科医長
真弓 光文福井医科大学医学部小児科教授
宮城征四郎沖縄県立中部病院院長
向山 徳子同愛記念病院小児科部長
森川 昭広群馬大学医学部小児科教授
森田 寛東京大学医学部呼吸器内科助教授

A.研究目的

EBM(Evidence Based Medicine)に基づいた喘息治療のガイドラインを作成することを目的とする

B.研究方法

上記に列挙した如く,我が国における喘息の専門家(内科及び小児科)を動員し,表1に示したようなテーマと一応の担当者を決め,それぞれのテーマについて国内外の論文の検索を依頼した。特に一流雑誌に重点を置き,それぞれ表2のような評価の基準に応じて評価し,また代表的な文献についてはEvidenceを表3の如く抄録することにした。なお,全体の整合性をはかるため,全員で内容を検討した。

表1 ガイドライン作成担当表

(1) 喘息の管理・治療の目標足立・西間・牧野
(2)喘息の疫学・危険因子・予防高橋・松井・三河
(3)患者教育、医師と患者のパートナーシップ秋山・富岡・三河
(4)薬物によるコントロール
4-1成人喘息の長期管理における薬物療法プラン福田・奥平・石原・佐野・伊藤・牧野
4-2成人喘息の急性増悪(発作)に対する対応大田・宮城・真野 ・中島
4-3小児喘息の管理と治療西間・松井・古庄
4-5乳幼児喘息の管理と治療真弓・森川・三河
(5)QOL田村・中川・可部・鳥居
(6)種々の側面
6-1アスピリン喘息森田・冨岡・伊藤
6-2運動誘発性喘息飯倉・佐野・古庄
6-3思春期及び20代早期の喘息秋山・西間・三河
6-4高齢者(老年者)喘息高橋・秋山・可部
6-5喘息と妊娠福田・森田・中島
6-6職業性喘息足立・奥平・山本・中澤
6-7外科手術と喘息宮城・森田・牧野
6-8喘息死足立・松井・真野・中澤
6-9気象と喘息山本・森川・伊藤
6-10喘息管理上の種々の側面中川・真弓・中島
6-11咳喘息田村・向山・真野

表2
<評価の基準>

エビデンスの質
1:システマティックレビュー/メタアナリシス
2:1つ以上のランダム化比較試験による
3:非ランダム化比較試験による
4:分析疫学的研究(コホート研究や症例対照研究による)
5:記述研究(症例報告やケース・シリーズ)による
6:患者データに基づかない,専門委員会や専門家個人の意見
推奨の強さ
A:行うことを強く推奨
B:行うことを推奨
C:推奨する根拠がはっきりしない
D:行わないよう勧められる

表3 論文のevidenceの抄録

文献対象
  1. 例数
  2. 年齢
  3. 対象
試験デザイン
  1. 方法
  2. 観察期間(導入+試験)
  3. その他(効果判定など)
結果・考案・副作用評価

 
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