ガイドライン

(旧版)エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン[第1版]

書誌情報
IX:切除不能例に対する胆道ステント,IVR療法

 
はじめに

切除不能胆管狭窄(閉塞性黄疸例)の治療としてステントが用いられるようになって20年以上が過ぎた。以前は,経皮経肝的胆管ドレナージ(PTBD;percutaneous transhepatic biliary drainage,PTCD;percutaneous transhepatic cholangio drainage)を挿入し外胆汁瘻のまま長期入院を余儀なくされることも多かった。QOLの改善のために内瘻術が行われるようになったが,QOLの改善のみではなく生存率も外科的bypass術と遜色がないことがわかり,広く行われるようになった。また内視鏡的ステント挿入術も行われるようになり,内視鏡手技の向上,処置器具の改良がなされている。しかし,プラスチックステント(plastic stent,PS)は8〜10Frのものが用いられ,内径が狭いことから目詰まりによる再閉塞が問題となった。ステントの改良などの工夫もなされてきたが,開存期間の十分な延長はみられていない。
新たに臨床応用された金属ステント(metal stent,MS)はPSとの比較試験で開存期間に有意差が認められ,現在では多くの施設で用いられている。MSの利点は細いdelivery catheterを介して径8〜10mmの大口径ステントを挿入できることである。詰まりにくいために開存期間が長くなる。多くの種類のMSが市販されているが,拡張力や屈曲性,短縮率などに違いがあるため症例に応じた使い分けが求められる。MSも再閉塞をきたすが,その原因の多くが腫瘍のステント内発育であるため,covered MSが開発され中下部胆管狭窄における有効性が報告されている。一方で,covered MSの欠点として急性胆嚢炎,ステントの逸脱・迷入も報告されており,さらなる工夫が求められている。

 

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