ガイドライン

(旧版)エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン[第1版]

書誌情報
V:術前胆道ドレナージ

 
CQ-15 外瘻患者における胆汁返還は有用か?

胆汁返還は有用である可能性があり,行うことを考慮してもよい。(推奨度C1


胆道ドレナージ法には,ドレナージされた胆汁が腸管内を流れる内瘻法(ERBD)と,体外に排泄され腸管内に戻らない外瘻法(ENBD,PTBD)とがある。内瘻法がより生理的であり,腸管免疫,感染予防,肝再生などの点で,外瘻法より優れたドレナージ法であることが多数の動物実験で証明されている。
ヒトでは,閉塞性黄疸による腸管粘膜の透過性の亢進が,内瘻ドレナージ(ERBD)により低下し正常化する1),2)(レベルIV)。外瘻ドレナージ(PTBD)においても,ドレナージされた胆汁を飲用などにより腸管内に返還することにより,内瘻ドレナージと同様に腸管粘膜の透過性が低下し,腸管の機能が回復することが報告されている3)(レベルIV)。
胆汁の腸肝循環が保たれていることが生体にとって重要である。したがって,外瘻時の術前胆汁返還は,侵襲の高度な手術(胆道癌に対する広範囲肝切除など)が予定されている場合には有用である可能性が高い。しかし,それが合併症発生率,特に感染性合併症の発生率を有意に低下するほどのものか?という点についてはRCTによる検討が必要である。


引用文献
1) Parks RW, Clements WDB, Smye MG, Pope C, Rowlands BJ, Diamond T. Intestinal barrier dysfunction in clinical and experimental obstructive jaundice and its reversal by internal biliary drainage. Br J Surg. 1996;83:1345-9.
2) Welsh FKS, Ramsden CW, MacLennan K, Sheridan MB, Barclay GR, Guillou PJ, et al. Increased intestinal permeability and altered mucosal immunity in cholestatic jaundice. Ann Surg. 1998;227:205-12.
3) Kamiya S, Nagino M, Kanazawa H, Komatsu S, Mayumi T, Takagi K, et al. The value of bile replacement during external biliary drainage: An analysis of intestinal permeability, integrity, and microflora. Ann Surg. 2004;239:510-7.


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