ガイドライン

(旧版)食道癌診断・治療ガイドライン 2007年4月版

書誌情報
XI.再発食道癌の治療

 
Clinical Question

CQXI-1 EMR後の局所再発に対する治療法は。
Answer 局所再発に対しては再EMR,化学放射線療法,手術などで治癒が望み得る場合が多い266),267)。しかし,どの治療法を選択するべきかに関しては明らかな基準はない。
推奨事項 いずれの治療法に関しても行うよう勧められる。[グレード B]


CQXI-2 EMR後のリンパ節再発・臓器再発に対する治療法は。
Answer リンパ節再発・臓器再発に対しては化学療法,放射線療法,化学放射線療法,手術などが選択されるが,予後は不良であることが多い275)。治療法の選択は,再発部位や全身状態を考慮して各施設で決定されているのが現状である。手術を行う際には,転移リンパ節の摘出のみを行うのか,リンパ節郭清を伴う食道切除再建術をするべきかなどについても一定の見解はない。
推奨事項 いずれの治療法に関しても行うよう勧めるだけの根拠が明確でない。[グレード C]


CQXI-3 根治切除後の再発に対する切除術は有効か。
Answer 再発形式や部位によっても手術適応が異なり,現時点では一定の結論を見出すことができない。限局したリンパ節再発や単一臓器再発に対する外科治療により長期生存を得たという報告がある273),281)。特に頸部リンパ節再発に対しては積極的な外科治療で良好な予後が得られる場合がある177),282)が,再発症例の中で外科治療の適応となる症例はきわめて少ない。
推奨事項 行うよう勧めるだけの根拠が明確でない。[グレード C]


CQXI-4 リンパ節再発や臓器再発の切除術後の補助療法は行うべきか。
Answer 再発に対する外科治療後の補助療法の有効性を示した報告はない。しかしながら,術後に放射線や抗癌剤による治療が併用されている場合が多い281),282),283)
推奨事項 行うよう勧めるだけの根拠が明確でない。[グレード C]


CQXI-5 根治切除後の再発に対する非外科的治療の方法と治療成績は。
Answer 治療法としては,化学療法,放射線療法,化学放射線療法などがあるが,化学療法のレジメンや抗癌剤と放射線との併用法なども含めて,治療法の選択に一定の方針はない。
化学療法,放射線療法,化学放射線療法の治療成績としては,QOLの改善には有効であるという報告があるものの,生存期間中央値(Median Survival Time)が7~14カ月と良好な治療成績を得るまでには至っていない188),189),220),284)。しかしながら,遠隔転移がない場合には放射線を含む治療により長期生存が得られたという報告もある188),284)
推奨事項 いずれの治療法に関しても行うよう勧められる。[グレード B]


CQXI-6 根治的化学放射線療法によるCR後の局所再発に対する有効な治療法は。
Answer 根治的化学放射線療法後CR例の局所再発に関しては,最近,内視鏡的治療や外科手術による救済(サルベージ)治療が試みられているが,明らかな有効性を示した治療法に関するエビデンスレベルの高い報告はない。
サルベージ手術に関しては,CR後の再発時点で切除可能であると判断された場合,食道切除再建術が行われ,治癒症例も得られているとの報告がある。しかし合併症率や手術関連死亡率は高く,またその適応や術式・リンパ節郭清範囲などは一定ではないことから,一般診療とはなっていない259),260),285)
一方,症例によっては局所再発に対してEMRやPDTのサルベージ内視鏡治療で治癒が得られ,その有効性を示唆する報告がある257),258)が,未だ少数例の成績であり,その効果に関する評価は十分ではない。いずれも新しいニーズに応えるべく試みられている治療法で,今後安全性の改善および有効性の評価が待たれる。
推奨事項 いずれの治療法に関しても行うよう勧めるだけの根拠が明確でない。[グレード C]


CQXI-7 CR後のリンパ節再発や臓器再発に対する有効な治療法は。
Answer 治療法としては手術・化学放射線療法・化学療法などがあるが,放射線照射野内の再発は放射線療法の適応から除外される。治療法の選択は個々の施設に委ねられているのが現状である。しかし二次化学療法のレジメンも含めて,その有効性を示した報告は少ない。
推奨事項 いずれの治療法に関しても行うよう勧めるだけの根拠が明確でない。[グレード C]

 

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