ガイドライン

(旧版)大腸癌治療ガイドライン医師用 2010年版

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Clinical Questions

 


サイドメモ:抗EGFR抗体薬とEGFR免疫染色/CPT-11とUGT1A1遺伝子多型
■抗EGFR抗体薬とEGFR免疫染色
cetuximabに関する臨床研究のほとんどがEGFR陽性例を対象として検討されており,保険適応もEGFR陽性例に限定されている。一方,panitumumabに関する臨床研究のほとんども EGFR陽性例を対象として検討されており,EGFR陰性例に関するエビデンスは限られているが,保険適応はEGFR陽性例に限定されていない。最近では抗EGFR抗体薬の効果と免疫染色におけるEGFR発現レベルとの関連性はないとする報告がある304)

■CPT-11とUGT1A1遺伝子多型
CPT-11の活性代謝産物であるSN-38の肝内の代謝酵素(活性体SN-38から不活性体 SN-38G へ変換する酵素)であるUGT1A1遺伝子の6,28のダブルヘテロ接合体,あるいはそれぞれをホモ接合体としてもっている患者への投与は,UGT1A1のグルクロン酸抱合能が低下し,SN-38の代謝が遅延することが知られており,好中球減少など重篤な副作用が発現する可能性がある。とりわけ,血清ビリルビン値が高い患者,高齢者,全身状態が不良な患者(たとえばPS2),前回のCPT-11投与で高度な毒性(特に好中球減少)をきたした患者は,投与前にUGT1A1遺伝子多型の有無を調べておくことが望ましい。一方,UGT1A1遺伝子多型のみでCPT-11の毒性をすべて予知できないことから,遺伝子多型の有無にかかわらず,治療中は全身状態を把握しながら,注意深い副作用管理を行っていくことが肝要である。


 

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