ガイドライン

(旧版)大腸癌治療ガイドライン医師用 2010年版

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各論

 

4.血行性転移の治療方針


 3) 脳転移の治療方針



 ・  脳転移は全身疾患としての一分症として発見されることが少なくないが,治療効果が期待される病変に対しては,手術療法あるいは放射線療法を考慮する。
 ・  全身状態,他の転移巣の状況を考慮し,転移巣の大きさ,部位,病巣数を評価して最適な治療法を選択する。
 ・  切除不能例には放射線療法を考慮する。

[手術療法]
脳切除の適応基準74)
(1) 数カ月以上の生命予後。
(2) 切除により重大な神経症状をきたさない。
(3) 他臓器の転移がないか,制御可能。

[放射線療法]
 ・  脳神経症状や頭蓋内圧亢進症状などの症状緩和と局所制御による延命を目的とする。
 ・  多発性脳転移例や外科切除の対象とならない孤立性脳転移例では全脳照射を考慮する。
 ・  脳転移個数が3〜4個以内で3cm以下であれば,定位放射線照射を考慮する。


 コメント 

 [手術療法]
(1) 脳転移切除を施行しても他臓器に転移を伴うことが多く,予後は不良である74),75),76),77)
(2) 孤立性転移症例に対する切除で比較的長期の生存例が報告されているが74),76),77),十分な症例集積に基づく手術療法の有効性の評価は定まっていない。
 [放射線療法]
(1) 症状改善率は60〜80%である78),79)
(2) 定位放射線照射では局所制御が80〜90%に得られる80)
(3) 予後因子として,年齢,PS,頭蓋外病変の制御の有無がある81)
(4) 現時点では,転移の個数にかかわらず全脳照射が行われることが多く,数年の予後が期待できる場合には定位放射線照射を加えることを考慮する82),83)。定位放射線照射を行う場合には単独治療も治療選択肢として考慮されるが,全脳照射に比し頭蓋内再発率が高いため,適切な間隔での画像検査が必要である。



 

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