ガイドライン

(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版

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第5章 放射線療法

 
E.高線量率組織内照射(HDR),外照射併用療法
CQ5  〔効果と治療成績〕イリジウム192による高線量率組織内照射,外照射併用療法の治療効果はどのようなものか?

推奨グレード B
イリジウム組織内照射と外照射の併用は外照射単独と比較して生化学的再発と治療後の生検陽性率を有意に改善する可能性がある。

 解 説
T1b,T2,T3を含む174例の中〜高リスク症例を対象とした報告1)(III)では,50Gyの外照射とHDR 30Gyを2分割で照射したところ,全体での治療後5年の(生化学的,臨床的)非再発生存率は79%,T3においては73%であり,外照射単独あるいは外照射と125I併用より優れた成績であったと報告されている。
T1bからT3c,PSAの中央値は12.9でGleasonスコア3-9の患者を対象として,45-50Gyの外照射とHDR 3-4Gy×4回で治療した場合,5年の生化学的非再発率は84%とも報告2)(III)されている。T1-3,グレード1-3を対象として50Gyの外照射とHDR 10Gy×2回のブースト治療を行った場合,18カ月後の生検で陽性は4%,45カ月の中央観察期間で治療後のPSA値が1以下である割合は84%であった3)(III)。T2,T3の82例を対象に40-45Gyの外照射と9-10GyのHDRをブースト照射した報告では中央観察期間24カ月で2年局所制御率は70.5%であった4)(III)
イリジウム組織内照射と外照射の併用(以下併用群と略す)が外照射単独よりも優れた治療か否かを決定することを目的としたPhase III studyの報告がある5)(II)。T2,T3で転移のない患者を,外照射単独66Gy/6.5週間か,イリジウム組織内照射を35Gy/48時間と40Gy 4週間の外照射併用を無作為に割り付けた。Primary endpointはBCF(biochemical or clinical failure),前立腺癌死とした。症例数は併用群51例,外照射単独53例で中央観察期間は8.2年であった。併用群で17例(29%),外照射単独群で33例(61%)がBCFを生じた(p=0.0024)。87例(84%)に照射後生検を行ったところ,陽性症例は併用群で10例(24%),外照射単独群で23例(51%)であった(p=0.015)。全生存率は併用群94%,外照射単独群で92%であった。併用群は外照射単独と比較してPSAコントロールと治療後の生検陰性化率が有意に良好であった。進行した前立腺癌に対して短期間に高線量を投与することによって局所および生化学的非再発率に対して良好な結果が得られたと報告5)(II)されている。


 参考文献
1) Kovacs G, et al. Prostate preservation by combined external beam and HDR brachytherapy at nodal negative prostate cancer patients. Strahlenther Onkol. 1999;175 Supple 2:87-8.
2) Mate TP, Gottesman JE, Hatton J, et al. High dose-rate after loading iridium-192 prostate brachytherapy:feasibility report. Int J Radiat OncoI Biol Phys. 1998;41:525-33.
3) Borghede G, et al:Combined treatment with temporary short-term high dose rate iridium-192 brachytherapy and external beam radiotherapy for irradiation of localized prostatic carcinoma. Radiotherapy and Oncology. 1997;44:237-44.
4) Dinges S, et al. High dose rate interstitial with external beam irradiation for localized prostate cancer. Results of a prospective trial. Radiotherapy and Oncology. 1998;48:197-202.
5) Sathya JR, Davis IR, Julian JA, et al. Randomized trial comparing iridium implant plus external-beam radiation therapy with external-beam radiation therapy alone in node-negative locally advanced cancer of the prostate. J Clin Oncol. 2005;23(6):1192-9.

 

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