ガイドライン

(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版

書誌情報
第5章 放射線療法

 
B.密封小線源永久挿入治療(単独)
CQ5  〔効果と治療成績〕密封小線源永久挿入治療(単独)の治療成績はどのようなものか?

推奨グレード B
密封小線源永久挿入治療(単独)の適応を病期T1,T2aでGleasonスコア6以下,PSA<10ng/mlとした場合,PSA非再発率などの治療成績は短期的には前立腺全摘除術や外照射療法と差がないとされている。

 背 景
密封小線源永久挿入治療の治療成績に関しては,症例の背景(PSA値,病期,Gleasonスコアなど)により治療成績は大きく異なる。病期がT2a以下,PSAが10ng/ml未満,Gleasonスコアが6以下の低リスク症例に対しては根治的治療法と考えられる。

 解 説
密封小線源永久挿入治療のPSA非再発率は,低リスク群では前立腺全摘除術と差がないことが示されている。Pottersらによれば1)(IV)中間リスク群の7年PSA非再発率はGleasonスコア3+4と4+3の患者では,各78.4%,56.7%と20%もの差があり,Gleasonスコア3+4と6との間およびGleasonスコア4+3と8との間にはそれぞれ有意差がなかったことを報告している。また同時に臨床病期ではT2a,2bの間で有意差を認めたことも報告している。また診断時PSAの意義については,Storeyらが2)(III)5年PSA非再発率に関して,PSA<10ng/mlでは76%,PSA>10ng/mlでは51%と25%もの差を認めたことを報告している。一方,Ramosらは3)(III)Gleasonスコア6以下のT1-T2患者で前立腺全摘除術の非再発率が84%であるのに対し,密封小線源永久挿入治療(単独)では79%であったと報告している。また,Brachmanらは4)(III)T1-T2患者で密封小線源永久挿入治療(単独)と密封小線源永久挿入治療に外照射を併用した場合の非再発率を後ろ向き検討で比較している。Gleasonスコア6以下,PSA10ng/ml以下の症例での治療成績は同等であるがGleasonスコア8-10またはPSA>10ng/mlの症例では併用療法が上回った。
以上の結果より,密封小線源永久挿入治療(単独)の適応をT1,T2aでGleasonスコア6以下,PSA<10ng/mlとした場合,少なくとも短期の治療成績は前立腺全摘除術や外照射療法とほぼ同等と考えることができる。


 参考文献
1) Potters L, Purrazzella R, Brustein S, et al. The prognostic significance of Gleason Grade in patients treated with permanent prostate brachytherapy. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2003;56(3):749-54.
2) Storey MR, Landgren RC, Cottone JL, et al. Transperineal 125iodine implantation for treatment of clinically localized prostate cancer:5-year tumor control and morbidity. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 1999;43(3):565-70.
3) Ramos CG, Carvalhal GF, Smith DS, et al. Retrospective comparison of radical retropubic prostatectomy and 125iodine brachytherapy for localized prostate cancer. J Urol. 1999;161(4):1212-5.
4) Brachman DG, Thomas T, Hilbe J, et al. Failure-free survival following brachytherapy alone or external beam irradiation alone for T1-2 prostate tumors in 2222 patients:results from a single practice. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2000;48(1):111-7.

 

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