ガイドライン

(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版

書誌情報
第5章 放射線療法

 
A.外照射
CQ1  〔治療の適応〕根治的外照射はどのような症例に適応されるのか?

推奨グレード B
局所限局性前立腺癌(T1N0M0-T2N0M0)に加え,局所進行性前立腺癌(T3N0M0-T4N0M0)も根治的外照射の適応となる。所属リンパ節転移を伴う場合(N1)は根治治療としての有効性は明らかでない。

 解 説
放射線治療は局所療法であるため,根治を目的とした場合には手術と同様に病変が限局していることが前提となる。したがって局所限局性前立腺癌(T1N0 M0-T2N0 M0)はよい適応であり,治療成績も前立腺全摘除術や密封小線源永久挿入治療とほぼ同等と報告されている。
また,前立腺周囲や隣接臓器も含めて照射でき,正常組織の機能を温存しながら治療が可能であるのが特徴であり,局所進行性前立腺癌(T3N0M0-T4N0M0)もよい適応になる。限局性と比べ照射範囲が広くなるが,近年の技術革新による三次元原体照射(3D-CRT)や強度変調放射線治療(IMRT)ならびに高精度の位置合わせにより,より有害事象の少ない治療が可能になっている。
所属リンパ節転移を伴う場合(N1)は,臨床上遠隔転移のない症例に対しては根治の可能性も残るが,少なくとも予防的骨盤照射の有効性は確立しておらず根治療法としての有効性は明らかでない(「根治的外照射の照射範囲に所属リンパ節領域を含めることは有用か」の項を参照)。
なお,RTOGやEORTCの局所進行性前立腺癌に対する根治的外照射の臨床試験の多くはT2-4N0-1M0を対象としている1),2)(II)


 参考文献
1) Valicenti R, Lu J, Pilepich M, et al. Survival advantage from higher-dose radiation therapy for clinically localized prostate cancer treated on the Radiation Therapy Oncology Group trials. J Clin Oncol. 2000;18:2740-6.
2) Bolla M. Adjuvant hormonal treatment with radiotherapy for locally advanced prostate cancer. Eur Urol. 1999;35 Suppl 1:23-5;discussion 26.

 

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