ガイドライン

(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版

書誌情報
第1章 疫学

 
CQ2  前立腺癌の死亡率はどのくらいか?

全世界では10万人あたり8.2であり,全癌の中で5番目に高い。日本では,8.4であり,男性における癌死亡原因の4.2%を占め,8番目に高い。2020年には2000年に比べて2.8倍になると予測されている。

全世界での前立腺癌死亡数は,年間16.5万人と報告されており,すべての男性癌の中で5.6%を占め,6番目の多さである1)。前立腺癌の年齢調整死亡率は8.2であり,肺癌(33.7),胃癌(19.1),肝癌(14.2),大腸・直腸癌(10.7)に次いで5番目の高さである1)
わが国における2001年の男性の年齢調整癌死亡率は,前立腺癌は8.4であり,肺癌,胃癌,肝臓癌,結腸癌,膵癌,食道癌,直腸癌についで8番目に高く,男性における癌死亡原因の4.2%を占めている2)。日本国内における地域差については,1990〜1997年の調査で,北海道,東北地方北部,関東地方北部・西部,中部地方東部,九州地方西部で高いと報告されている3)
前立腺癌の年齢調整死亡率は,1950年は0.5と低かったが,その後年々高くなっており,1975年は3.8,1998年には8.6と1975年の約2.3倍に増加している。その後2001年までの調査では8.4〜8.6の範囲で横ばいになっている2)今後の前立腺癌死亡率の傾向は,2000年の前立腺癌死亡率の実測値に対して2020年の推定値は2.8倍になると予測されている4)


 参考文献
1) Parkin DM, Pisani P, Ferlay J. Global cancer statistics. CA Cancer J Clin. 1999;49:33-64.
2) がんの統計'03:悪性新生物年齢調整死亡率,主要部位別・年次別(昭和25年〜平成13年): http://www.ncc.go.jp/jp/statistics/2003/data05.pdf :accessed on July 27, 2004.
3) Nakata S, Takahashi H, Ohtake N, et al. Trends and characteristics in prostate cancer mortality in Japan. Int J Urol. 2000;7:254-7.
4) 黒石哲生,広瀬かおる,田島和雄,他:日本のがん死亡の将来予測.がん・統計白書-罹患/死亡/予後-2004(大島明,黒石哲生,田島和雄,編).篠原出版新社,2004.p219-234.


 注)疫学に関する事項は推奨グレードをつけられない部分が多いため,他のパートと異なり各クリニカルクエスチョンに対して,コメントおよび解説,文献の3部からなる構成とした。また文献の評価は,それぞれが扱っている対象が日本人か外国人か,community-basedかhospital-basedかの2点を明記した。

 

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