ガイドライン

(旧版)エビデンスとコンセンサスを統合した潰瘍性大腸炎の診療ガイドライン ―難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班 プロジェクト研究グループ

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推奨ステートメントと解説


4.軽症〜中等症の活動期の全大腸炎・左側大腸炎における緩解導入治療

4.9 軽症〜中等症の活動期の潰瘍性大腸炎における免疫抑制薬(AZA/6-MP)の適応2,18,19)

主としてステロイド不応例・離脱困難例で適応となる:推奨グレードA(Ib・8)

ステロイド投与例に併用することにより臨床症状や内視鏡所見を増悪させずにステロイド減量または離脱が可能となる:推奨グレードA(Ib・8)

解説: ステロイドを減量中の症状増悪、中止後短期間の再燃あるいは中止後に再燃を繰り返す例ではAZA(アザチオプリン)や6-MP(メルカプトプリン)等の免疫抑制薬の投与を考慮する。ステロイド減量または離脱を主要評価項目とした複数のRCTで有意の効果を認めている。AZA/6-MPは十分な効果発現までに約3ヶ月を要することがあるため、活動期UCに対する早期緩解導入の効果は期待できない。適応となる症例では、ステロイドを減量する前にAZA/6-MPを投与開始しておくことが重要である。日本人では代謝の人種的相違から血中濃度が高まる傾向があり、投与量に注意が必要である。海外ではAZAは1.5〜2.5mg/kg/日、6-MPは1〜1.5mg/kg/日の範囲で用いられることが多いが、日本人ではAZA50mg/日程度で十分なことが少なくない。インフルエンザ様症状、骨髄抑制、肝障害など時として重篤な副作用が知られており、特に投与初期では血液検査を含めた慎重な観察が必要である。とくにAZA+5-ASA併用例ではAZAの分解が阻害され、骨髄抑制などの副作用が現れやすいので注意が必要である。投与開始後数週間で問題が生じなければ長期投与の認容性は比較的良好であり、懸念されていた悪性腫瘍発生のリスク増加に関しても否定的と報告されている。

 

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