ガイドライン

(旧版)エビデンスとコンセンサスを統合した潰瘍性大腸炎の診療ガイドライン ―難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班 プロジェクト研究グループ

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推奨ステートメントと解説


3.活動期の遠位大腸炎における緩解導入治療

3.4 活動期の遠位大腸炎に対する5-ASAおよびステロイド注腸療法の比較6,9,11,12,13)

5-ASA注腸療法はステロイド注腸療法と少なくとも同等の効果がある:推奨グレードA(Ib・8)

活動期の遠位大腸炎型UCの治療において、5-ASA注腸療法はステロイド注腸療法よりも臨床症状、内視鏡所見、病理組織所見の改善効果に優れる:推奨グレードI(Ia・6)

ステロイド注腸に反応しない活動期遠位大腸炎型UCでも、5-ASA注腸療法が有効であることが少なくない:推奨グレードA(Ib・7)

解説: 5-ASAとステロイド注腸療法を比較した場合、両者同等か5-ASAの優位性を示す文献エビデンスが収集された。7つのRCTを合成したメタ分析では、5-ASAの改善率はステロイドの約2倍であり、明らかに優位であった。ただし薬剤の用法・用量や種類は研究により異なるため、単純な比較が困難といえる。複数のステートメントに対する専門家の評価の結果、5-ASAが明らかに優れるとするよりもほぼ同等とすることが適切とのコンセンサスが得られた。文献エビデンスと専門家の評価がやや乖離した理由として、5-ASA注腸が未だ臨床の現場に十分浸透していないことが考えられる。わが国で使用可能なステロイド注腸剤は全身への影響を無視できないことから、安全性の面でも5-ASAが優位と考えられる。なお遠位大腸炎型UCの緩解導入治療における注腸治療として、スクラルファートや上皮成長因子(EGF)の有効性を示すエビデンスもあるが、標準的治療としての専門家の評価は低く推奨基準に達しなかった。

 

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