ガイドライン

(旧版)エビデンスとコンセンサスを統合した潰瘍性大腸炎の診療ガイドライン ―難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班 プロジェクト研究グループ

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推奨ステートメントと解説


2.診断と検査法

2.2 診断確定へのアプローチ1,2,3,4)

潰瘍性大腸炎の診断は通常特徴的な臨床所見と典型的な内視鏡所見により確立する:推奨グレードI(V・8)

臨床所見から潰瘍性大腸炎を疑ったら、内視鏡検査を行うことが望ましい:推奨グレードI(V・9)

潰瘍性大腸炎は臨床的に疑い、内視鏡と生検組織にて特徴的所見を得て、便検査などにより感染性腸炎を否定することにより診断する:推奨グレードI(V・9)

必要に応じて全大腸内視鏡検査や注腸X線造影を行って、腸病変の性状や程度、罹患範囲などを検査し、同時に他の疾患を除外する:推奨グレードI(V・9)

できれば全大腸内視鏡検査が望ましいが、特に重症例などでは慎重に判断し、病状が安定するまで待機するなどの方策が必要なこともある:推奨グレードI(V・9)

同時に末梢血検査、検尿、血液化学、血沈(またはCRP)、腹部X線などを行う:推奨グレードI(V・8)

一般に内視鏡を用いて形態診断を行うことが多いが、施設の状況等により注腸X線造影を行ってもよい:推奨グレードI(V・7)

解説: 潰瘍性大腸炎診断の基本は臨床所見の適切な把握と内視鏡検査と考えられる。ただし臨床症状も内視鏡所見も感染性腸炎と紛らわしいこともあるので、便の細菌学的・寄生虫学的検査による除外診断が必要である。また内視鏡は病変範囲や重症度の把握にも有用である。しかし臨床的に重症と考えられる例では、内視鏡検査や前処置により病状が増悪する可能性もあるため、早期に全大腸の観察にこだわる必要はない。診断に関する指標にはそれを裏づけるエビデンスがないが、十分に適切であるとの専門家のコンセンサスが得られた。なお病変範囲把握のための超音波検査の意義に関しては、推奨グレードCにとどまった。各種診断法の感度・特異度は測定されていないため、その科学的妥当性は不明である。

 

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