ガイドライン

(旧版)エビデンスとコンセンサスを統合した潰瘍性大腸炎の診療ガイドライン ―難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班 プロジェクト研究グループ

書誌情報
 
この診療ガイドラインについて


5.ガイドラインの開発方法

<評価パネルの設立と診療ステートメントの作成>

内科医、消化器医、総合診療医、臨床疫学医など計5名で構成される「評価パネル」を設立した。MEDLINE、Cochrane Libraryを主なリソースとし、1985~2004年のUCの診療に関する文献を検索した。得られた情報の中から、わが国で行うことが可能で患者アウトカムに影響する診療行為(保険診療の可否は不問)の有用性をレベルIII以上のエビデンス(表1)により示す原著論文を選別し、構造化抄録を作成した。また用手的検索により、UCの診療に関する既存のガイドラインと総説論文を文献情報に加えた。エビデンスの引用が明らかでない記載は著者の意見と判断しレベルVとした。これらの文献情報を基にUCの診療に関するステートメントを作成した。


表1 本ガイドライン開発における文献情報のエビデンス・レベルの設定
Ia ランダム化比較試験のメタ分析
Ib 1つ以上のランダム化比較試験、All or Noneの症例集積研究
IIa よくデザインされた非ランダム化比較試験
IIb よくデザインされた準実験的研究
IIIa よくデザインされたコホート研究
IIIb 症例対照研究など、その他の観察疫学研究
IV 症例報告、症例集積などの記述的研究
V 患者データに基づかない専門委員会報告や専門家個人の意見


<専門家パネルの設立と診療ステートメントの評価>

5名の炎症性腸疾患(以下IBDと略す)を専門領域とする内科医・外科医、2名の総合内科医、3名の病院管理者(IBD専門医を兼ねる)の計10名で構成される「専門家パネル」を設立した。評価パネルにより作成された診療ステートメントを基盤となった文献の構造化抄録およびその他の文献情報と共に各々のエビデンス・レベルを付記してメール上で専門家パネル委員に配布し、各項目の適切性につき9段階(1=最も不適切~9=最も適切)の評価を得た(デルファイ評価)。専門家パネル会議を開催し、第1回デルファイ評価での問題点を検討した上で、診療ステートメントを修正し、また意見交換を基に新たな項目も加えた。再構築したステートメントが専門家パネルに配布され、合計3回のデルファイ評価の最終結果を専門家パネルのコンセンサスとした。


<推奨ステートメントの選定>

診療ステートメントの基盤となった文献情報のエビデンス・レベルと3回のデルファイ評価後の最終中央値を基準に各項目の推奨グレードを決定した(表2、3)。合計182項目のステートメントが選定対象となり、このうち推奨グレードA、B、および I の項目をUCの標準的な診療における推奨ステートメントとして採択した。


表2 エビデンスとコンセンサスを統合した推奨グレードの設定基準-1
(治療に関するステートメント)
  デルファイ評価中央値
≧8 7 6 5 ≦4
エビデンス・
レベル
I A A I C C
II A B C C C
III B I C C C
IV、V I I C C D


表3 エビデンスとコンセンサスを統合した推奨グレードの設定基準-2
(疾患概念・リスク・診断・経過観察に関するステートメント)
  デルファイ評価中央値
≧8 7 6 5 ≦4
エビデンス・
レベル
I A A I C C
II A B I C C
III A B I C C
IV、V I I C C D

 

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