ガイドライン

EBMの手法による
周産期ドメスティック・バイオレンスの支援ガイドライン

書誌情報
 
推薦のことば
今般,聖路加看護大学から,「EBMの手法による周産期ドメスティック・バイオレンスの支援ガイドライン」と題したこの単行本が出版されることとなった。このガイドラインは聖路加看護大学の学部長で,助産課程を統率する堀内成子教授ほか,同課程の教室員並びに同図書館司書,聖路加看護大学21世紀COE研究員ほか,総数12名がワーキング・グループのメンバーとして参与して作られたものである。
今日,日本では家庭内暴力がいろいろの場面で発生しているが,周産期女性を対象としている臨床現場で,外部にはっきり現れていなくても,潜伏化したドメスティック・バイオレンスの被害者は決して少なくない。そのようなケースを医療者が早期に発見し,保護し,回復への適切な介助が行われるように導く資料として,このドメスティック・バイオレンス支援のガイドラインが作られたのである。
この書は,そのような被害を受けた女性の治療にまで介入するものでなく,早期の発見と保護安全確保に焦点を当てて作られたものである。将来治療篇に続くものとなるかも知れない。
現在,この問題解決のニーズが高いのに,日本の助産関係の医療者により書かれたよきガイダンスがないことから,そのニーズが高いと考えて本書が生まれたのだと思う。
本書の特徴はこれがエビデンスに基づいた科学(EBM)の技法により,資料が集められ,検討され,価値判断がなされていることである。また,周産期ケアの現場では,スクリーニングが繰り返され,バイオレンス発生のリスク・ファクターが同定され,それへの問題解決対応プランが必要であることが本書には示されているのである。
さらにこのガイドラインは各方面の専門家により,査読され,その妥当性が確認されたうえで出版物となって世に問われることになったのである。
本書は,本作りそのものがEBMの手法により推考されたものであり,臨床看護のいろいろのガイダンス作成にも,この共同作業のアウトカムは広く活用されると思う。本書が周産期の領域に働く医療者以外にも看護関係の教職や研究者によって広く読まれることを期待し,本書を推薦する次第である。

2004年12月
聖路加看護大学名誉学長
日野原 重明



 

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