ガイドライン

(旧版) 肝癌診療ガイドライン2009年版

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第4章 化学療法・放射線治療


第1節 化学療法

CQ34 インターフェロン併用化学療法は有用か?

推 奨
インターフェロン併用化学療法は有用と考えられ,行うことを考慮してもよいが,十分な科学的根拠がない。
(グレードC1)

■サイエンティフィックステートメント
シスプラチン肝動注とインターフェロンα全身投与の併用療法は,門脈本幹腫瘍塞栓または遠隔転移のある肝細胞癌に対し,シスプラチン単独肝動注とのRCTにて有用と証明された(奏効率33% vs. 14%;p<0.05)(LF020891) Level 1b)。インターフェロン併用シスプラチン全身投与では奏効率13.3%,生存期間の延長もみられた(LF025162) Level 3)。
シスプラチン/インターフェロンα-2b/ドキソルビシン/フルオロウラシル全身化学療法(PIAF療法)は,ドキソルビシン単独療法に比較して奏効率が高く,生存期間も延長したが,統計学的な有意差を示さず,副作用がより多かった(奏効率 20.9% vs. 10.5%;p=0.058,生存期間中央値6.83カ月 vs. 6.36カ月;p=0.83)(LF107593) Level 1b)。
インターフェロン併用5-FU肝動注化学療法の100例以上の検討では,52%の奏効率があり,過去の無治療のコントロール群に比較して生存率の改善がみられた(生存期間中央値6.9カ月;12カ月・24カ月生存率34%・18% vs. 15%・5%;p<0.01)(LF102444) Level 2b)。

■解 説
インターフェロン併用化学療法のRCTは2件あった。1件ではインターフェロン併用肝動注化学療法は有効と結論しているが,症例数は各群20例と少ない。もう1件では,188例を対象としているが,奏効率は高い傾向があったが有意差はみられず,生存期間にも差がみられなかった。
インターフェロン併用化学療法を施行した論文の奏効率は全身投与で7~20.9%,肝動注で33~52%であった(表 2,3参照)。
有効と結論しているRCTが1件だけあるが,検討症例数が少なく,多数例の検討では有意差がみられていないことより,推奨の強さのグレードはC1とした。

■参考文献
1) LF02089 Chung YH, Song IH, Song BC, Lee GC, Koh MS, Yoon HK, et al. Combined therapy consisting of intraarterial cisplatin infusion and systemic interferon-alpha for hepatocellular carcinoma patients with major portal vein thrombosis or distant metastasis. Cancer 2000;88(9):1986-91.
2) LF02516 Ji SK, Park NH, Choi HM, Kim YW, Lee SH, Lee KH, et al. Combined cis-platinum and alpha interferon therapy of advanced hepatocellular carcinoma. Korean J Intern Med 1996;11(1):58-68.
3) LF10759 Yeo W, Mok TS, Zee B, Leung TW, Lai PB, Lau WY, et al. A randomized phaseIII study of doxorubicin versus cisplatin/interferon alpha-2b/doxorubicin/fluorouraci(l PIAF)combination chemotherapy for unresectable hepatocellular carcinoma. J Natl Cancer Inst 2005;97(20):1532-8.
4) LF10244 Obi S, Yoshida H, Toune R, Unuma T, Kanda M, Sato S, et al. Combination therapy of intraarterial 5-fluorouracil and systemic interferon-alpha for advanced hepatocellular carcinoma with portal venous invasion. Cancer 2006;106(9):1990-7.

 

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