ガイドライン

(旧版) 肝癌診療ガイドライン2009年版

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第4章 化学療法・放射線治療


第1節 化学療法

CQ33 化学療法で有効な薬剤は何か?

推 奨
肝細胞癌化学療法に科学的根拠に基づいて推奨される有効な薬剤やその組み合わせはない。
(グレードC1)

■サイエンティフィックステートメント
さまざまな薬剤が単剤または多剤併用で用いられていた。論文の多くは,少数例を対象としたパイロット的検討であり,有効とされる薬剤,またその組み合わせについては研究段階であった。そのためそれぞれの論文での奏効率を比較したところ,単剤での奏効率は全身投与0〜28%,肝動注37〜60%であった。また,多剤併用での奏効率は全身投与2.5〜39%,肝動注で22〜71%の報告があった(表1〜3参照)

■解 説
奏効率が50%を超える報告もあるが,いずれも少数例を対象としたエビデンスレベル4の対照を伴わない研究であったため,推奨する薬剤またはその組み合わせはないと判断した。
使用されている薬剤として,以前はドキソルビシンが中心に用いられ,近年5-FU,シスプラチンが中心となって用いられるようになってきた。また最近ではトポテカン,ゲムシタビン,オキサリプラチンなどの新しい抗癌剤も検討されているが効果は低かった。少数例のphase IIに相当する報告がほとんどであるが,単剤よりも多剤で用いられるほうが奏効率は高い傾向があった。低用量シスプラチンと5-FUを組み合わせた方法やインターフェロンを併用した化学療法が比較的良い奏効率を示していた。最近,ペグ化リポソームドキソルビシンやオクトレオチドなどを用い,奏効率より生存期間延長やQOL改善を狙った治療が試みられている(表1〜3参照)。

 

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