ガイドライン

(旧版) 肝癌診療ガイドライン2009年版

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第2章 診断およびサーベイランス


第1節 サーベイランス

● はじめに

慢性肝疾患,肝硬変患者での肝細胞癌に対するサーベイランスを行ううえで,超音波検査と腫瘍マーカー検査は現在中心的な役割を果たしており,幅広く施行されている。サーベイランスの有効性が示されるためには,早期発見が根治的な治療を受ける機会を増やし,予後の改善に寄与することが示される必要がある。しかし現時点では超音波検査や腫瘍マーカー検査との併用によるサーベイランスが肝細胞癌患者の予後改善をもたらすとの十分なエビデンスが示されているわけではない。加えてサーベイランスにおけるCTやMRIの位置づけ,有用性も明らかとはいえない。
また,超音波検査や腫瘍マーカー検査の間隔は,患者の発癌リスクとコスト等を勘案して決定するべきであるが,スクリーニング検査のコストベネフィットに関するエビデンスも十分とはいえない。サーベイランスの有効性を検討するRCTの報告もあるが,その結果を再評価するRCTを今後設定することは倫理的に困難である。
この現状を踏まえたうえで,最初に「肝細胞癌の危険因子を有する対象症例」を設定し,続いて現在得られるエビデンスの中で適切な肝細胞癌のサーベイランスの方法,間隔を提案することを試みた。
■文献の選択
「腫瘍マーカー」「画像診断(超音波検査,CT,MRI,血管造影など)」に対して1982年から2002年までにMEDLINEおよび医学中央雑誌に収録されている文献リストを作成した(MEDLINE:腫瘍マーカー1,129件,超音波検査1,022件,画像検査(超音波検査以外)937件,医学中央雑誌:腫瘍マーカー1,179件,超音波検査1,013件,画像検査(超音波検査以外)1,550件)。
これらの文献抄録を読み,サーベイランス,画像診断に有用と思われる文献を抽出し,その論文の原著を読み,エビデンスレベルの高い英文論文を中心に最終選択した。
また今回,第2版では2003年から2007年6月までに発表された,サーベイランス,画像診断にかかわる論文を抽出し,同様に原著を読み,エビデンスレベルの高い論文を中心に最終選択をした。

 

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