ガイドライン

(旧版)EBMに基づく 胃潰瘍診療ガイドライン 第2版 −H. pylori二次除菌保険適用対応−

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第3部 胃潰瘍診療ガイドラインの作成と評価

 
3.ガイドラインの評価
1)ガイドラインの評価

ガイドラインの質は,その作成方法と様式,検索と要約の方法,勧告の作成方法の面から評価される。以下,広く用いられているShaneyfeltら4)の提唱するチェックリストを紹介する(表4)。
Shaneyfeltらの報告では,1985年から1997年に欧米で作成され発表された279の診療ガイドラインの平均スコアは43.1%(25項目中10.77)であったという。今回作成された本ガイドラインは80%(25項目中20項目)を満たすので,質の高いガイドラインといえる。
ガイドラインの有効性は,実際に用いた結果,1 医師の診療行為が改善したかどうか,または,2 患者の健康アウトカムが改善したかどうか,という点から評価される。同一施設でガイドライン導入前と導入後を比較する歴史対照を用いたランダム化比較試験(RCT)か,複数の施設でガイドライン導入施設と非導入施設を比較する,ランダム化あるいは非ランダム化比較試験で評価される。

表4 ガイドライン評価のチェックリスト
ガイドラインの作成法と様式について
(1) ガイドラインの目的が明確に述べられている yes/no
(2) ガイドラインの作成理由と基本原理,重要性が記載されている yes/no
(3) ガイドラインの作成委員とその専門分野が記載されている yes/no
(4) 対象となるテーマ(健康問題,医療技術など)が明確に定義されている yes/no
(5) 対象となる患者集団が特定されている yes/no
(6) 想定している読者,使用者が特定されている yes/no
(7) 診断や治療,予防に関する選択肢が利用可能で主要なものを網羅している yes/no
(8) 予期される健康上のアウトカムが記載されている yes/no
(9) 作成したガイドラインの外部評価の結果が記載されている yes/no
(10) 有効期限もしくは改定の予定を記載している yes/no
エビデンスの検索・要約について
(11) エビデンスの検索方法を明示している yes/no
(12) どの時期(期間)のエビデンスを検索したのかを記載している yes/no
(13) エビデンスを引用し,参考文献として列挙している yes/no
(14) データを抽出した方法を示している yes/no
(15) エビデンスのグレードのつけ方,分類方法を記載している yes/no
(16) エビデンスや専門家の意見をフォーマルな方法で統合し,その方法を記している yes/no
(17) 診療行為の利得と害を記載している yes/no
(18) 利得と害が定量的に記載されている yes/no
(19) 診療行為のコストへの影響が記載されている yes/no
(20) コストが定量的に示されている yes/no
勧告の作成方法について
(21) 勧告を作成する際の価値判断が明示されている yes/no
(22) 患者の意向が考慮されている yes/no
(23) 勧告が具体的で,ガイドラインの目的に沿っている yes/no
(24) 勧告がエビデンスの質に応じてグレードづけされている yes/no
(25) 勧告が柔軟性のある内容となっている yes/no
Shaneyfelt TM, Mayo-Smith MF, Rothwangl J: Are guidelines following guidelines? The methodological quality of clinical practice guidelines in the peer-reviewed medical literature. JAMA, 281:1900-5,1999

 

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