過活動膀胱診療ガイドライン 第3版

過活動膀胱診療ガイドライン 第3版

初回投稿日:2022年12月20日

ページ更新日:2023年10月24日

初回投稿日:2022年12月20日

ページ更新日:2023年10月24日

書誌情報

作成委員会

過活動膀胱診療ガイドライン作成委員会

発行年月日

2022年09月01日

第3版

発行形式

書籍

基本情報

文書の種類

診療ガイドライン

新旧属性

最新版

公開ステータス

本文公開中

Minds選定日

2022年12月20日

本文掲載日

2023年10月24日

Mindsからのお知らせ

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この診療ガイドラインは、「過活動膀胱」を主題として、日本排尿機能学会、日本泌尿器学会によって作成されています。2022年9月1日にリッチヒルメディカルから発行されました。Mindsでは、2022年12月20日に選定部会にて選定されています。

目次

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発刊に寄せて

はじめに

略語一覧

作成委員・評価委員

1 過活動膀胱とフレイル・認知機能低下の関係

1 フレイルや認知機能低下について

2 フレイル高齢者や認知機能低下高齢者の評価に関して

3 フレイル高齢者や認知機能低下高齢者の下部尿路機能障害診療における ガイドライン

2 基礎知識

1 下部尿路症状の定義と分類

2 過活動膀胱の定義

3 過活動膀胱と関連する症状

4 過活動膀胱の分類

5 過活動膀胱の診断における尿流動態検査の位置づけ

6 膀胱知覚と尿意切迫感

3 診療アルゴリズム

一般医家向け過活動膀胱診療アルゴリズム

専門医向け診療アルゴリズム

4 Clinical Questions

1 保険診療に関する留意点

CQ1 過活動膀胱の保険診療上の留意点は何か?

2 診断法・評価法

CQ2-1 過活動膀胱患者の基本評価として,残尿測定は推奨されるか?

CQ2-2 女性過活動膀胱患者の基本評価として,台上診(内診)は推奨されるか?

CQ2-3 過活動膀胱患者の基本評価として,排尿日誌は推奨されるか?

CQ2-4 過活動膀胱患者に対して,カテーテル挿入を伴う尿流動態検査は推奨されるか?

CQ2-5 過活動膀胱患者の診療において,QOL評価は推奨されるか?

CQ3 過活動膀胱の治療において,治療目標の共有は推奨されるか?

3 行動療法

CQ4-1 生活習慣の改善は,過活動膀胱の治療として推奨されるか?

CQ4-2 過活動膀胱に対する行動療法と薬物療法を併用することは推奨されるか?

4 薬物療法一般

CQ5-1 過活動膀胱治療において,最初に使用したβ3受容体作動薬が効果不十分・有害事象などで継続困難な場合,別のβ3受容体作動薬あるいは抗コリン薬への変更は推奨されるか?

CQ5-2 過活動膀胱治療において,最初に使用した抗コリン薬が効果不十分・有害事象などで継続困難な場合,別の抗コリン薬あるいはβ3受容体作動薬への変更は推奨されるか?

CQ6-1  過活動膀胱治療において,抗コリン薬またはβ3受容体作動薬の単独投与の効果が不十分な場合,抗コリン薬とβ3受容体作動薬の併用投与は推奨されるか?

CQ6-2 混合性尿失禁に対して,抗コリン薬またはβ3受容体作動薬の投与は推奨されるか?

5 薬物療法の安全性,治療継続性

CQ7 抗コリン薬投与開始時に,併用薬の抗コリン作用の確認は推奨されるか?

CQ8 抗コリン薬の副作用に対してどのような対処法が推奨されるか?

CQ9 残尿を有する過活動膀胱患者に対して,抗コリン薬やβ3受容体作動薬は安全か?

CQ10 過活動膀胱の薬物治療において,服薬継続促進のための患者指導は推奨されるか?

6 男性過活動膀胱・前立腺肥大症

CQ11-1 男性過活動膀胱患者の初期治療として,抗コリン薬の単独投与は推奨されるか?

CQ11-2 男性過活動膀胱患者の初期治療として,β3受容体作動薬の単独投与は推奨されるか?

CQ12-1 前立腺肥大症を有する過活動膀胱患者に対して,α1遮断薬単独投与は推奨されるか?

CQ12-2 前立腺肥大症を有する過活動膀胱患者に対して,PDE5阻害薬単独投与は推奨されるか?

CQ12-3 前立腺肥大症を有する過活動膀胱患者に対して,5α還元酵素阻害薬単独投与は推奨されるか?

CQ13 前立腺肥大症を有する過活動膀胱患者に対して,α1遮断薬と抗コリン薬の併用投与は推奨されるか?

CQ14 前立腺肥大症を有する過活動膀胱患者に対して,α1遮断薬とβ3受容体作動薬の併用投与は推奨されるか?

CQ15 前立腺肥大症を有する過活動膀胱患者に対して,PDE5阻害薬と抗コリン薬あるいはβ3受容体作動薬の併用投与は推奨されるか?

CQ16 前立腺肥大症を有する過活動膀胱患者に対して,前立腺肥大症の手術は推奨されるか?

7 女性過活動膀胱・骨盤臓器脱・混合性尿失禁

CQ17 女性の混合性尿失禁患者の過活動膀胱に対して,腹圧性尿失禁手術は推奨されるか?

CQ18 骨盤臓器脱を有する過活動膀胱患者に対して,抗コリン薬またはβ3受容体作動薬の単独投与は推奨されるか?

CQ19 骨盤臓器脱を有する過活動膀胱患者に対して,骨盤臓器脱手術は推奨されるか?

CQ20  女性過活動膀胱患者に対して,エストロゲンの局所投与は推奨されるか?

8 難治性過活動膀胱の治療:ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法

CQ21-1 ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法は,尿失禁を伴う難治性特発性過活動膀胱患者に対して推奨されるか?

CQ21-2 ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法は,女性の難治性過活動膀胱に対して推奨されるか?

CQ21-3 ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法は,男性の難治性過活動膀胱に対して推奨されるか?

CQ22 ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法と抗コリン薬,β3受容体作動薬の併用投与は推奨されるか?

CQ23 ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法の副作用に対して,どのような対処法が推奨されるか?

CQ24 ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法において,どのような症例に入院治療が推奨されるか?

9 難治性過活動膀胱の治療:神経変調療法/磁気刺激療法,仙骨神経刺激療法

CQ25 薬物療法後の二次治療として,磁気刺激療法は推奨されるか?

CQ26 難治性過活動膀胱に対して,仙骨神経刺激療法は推奨されるか?

CQ27-1 難治性過活動膀胱に対する初回治療として,ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法と仙骨神経刺激療法のいずれが推奨されるか?

CQ27-2 難治性過活動膀胱に対して,ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法あるいは仙骨神経刺激療法のいずれかの効果が不十分な場合,さらに他方を行うことは推奨されるか?

CQ28 難治性過活動膀胱に対して,仙骨神経刺激療法と抗コリン薬あるいはβ3受容体作動薬の併用は推奨されるか?

10 高齢者・フレイル

CQ29-1 生活指導は,高齢の過活動膀胱患者に対して推奨されるか?

CQ29-2 行動療法は,高齢の過活動膀胱患者に対して推奨されるか?

CQ29-3 抗コリン薬は,高齢の過活動膀胱患者に対して推奨されるか?

CQ29-4 β3受容体作動薬は,高齢の過活動膀胱患者に対して推奨されるか?

CQ30 残尿を有する高齢過活動膀胱患者に対して,抗コリン薬あるいはβ3受容体作動薬の投与は推奨されるか?

CQ31-1 ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法は,高齢の尿失禁を伴う難治性特発性過活動膀胱患者に対して推奨されるか?

CQ31-2 仙骨神経刺激療法は,高齢の難治性過活動膀胱患者に対して推奨されるか?

11 小児の過活動膀胱

CQ32-1 小児過活動膀胱患者に対して,行動療法は推奨されるか?

CQ32-2 小児過活動膀胱患者に対して,抗コリン薬またはβ3受容体作動薬の投与は推奨されるか?

12 夜間頻尿と過活動膀胱

CQ33 過活動膀胱患者の夜間頻尿に対して,抗コリン薬またはβ3受容体作動薬の投与は推奨されるか?

13 前立腺癌と過活動膀胱

CQ34 限局性前立腺癌治療前後の過活動膀胱の評価は推奨されるか?

5 疫学

6 発症メカニズム

1 神経因性

1)脳疾患

2)脊髄疾患

3)馬尾・末梢神経疾患

2 非神経因性

1)総論(男女共通)

a.酸化ストレス

b.機能的腸管異常

2)女性における発症メカニズム

a.女性ホルモン

(1)酸化ストレス

(2)閉経関連尿路生殖器症候群(genitourinary syndrome of menopause: GSM)

b.骨盤臓器脱(pelvic organ prolapse: POP)

3)男性における発症メカニズム

a.膀胱出口部閉塞

b.内分泌環境の変化

7 診断

1 自覚症状・病歴

1)自覚症状の問診

2)病歴の聴取

3)症状質問票

2 QOL の評価

3 身体所見・神経学的所見

4 尿検査

5 残尿測定

6 排尿日誌

7 超音波検査

8 血液検査

9 尿流動態検査

10 膀胱鏡検査

11 その他の尿路・骨盤底の画像診断

12 フレイルのスクリーニング検査

13 認知症のスクリーニング検査

14 検査・診断の手順

1)一般医家における検査・診断手順

2)専門医による検査・診断手順

15 フレイル評価と関連する基本チェックリスト〔参考〕

8 治療

1 行動療法

1)生活指導(lifestyle interventions)

a.体重減少

b.運動療法

c.禁煙

d.食事・アルコール・飲水指導

e.便秘の治療

2)膀胱訓練(bladder training),計画療法(scheduled voiding regimens)

a.膀胱訓練(bladder training)

b.定時排尿

c.排尿促進法

3)理学療法(physical therapies)

a.骨盤底筋訓練

b.フィードバック訓練,バイオフィードバック訓練

4)行動療法統合プログラム(behavioral modification program: BMP)

5)その他の保存療法

a.鍼治療(acupuncture)

b.催眠療法(hypnotherapy)

c.蒸気温熱シート

2 薬物療法

1)β3アドレナリン受容体作動薬(β3受容体作動薬)

a.ミラベグロン(mirabegron)

b.ビベグロン(vibegron)

2)抗コリン薬

a.オキシブチニン(oxybutynin)

b.オキシブチニン経皮吸収型製剤(oxybutynin patch)

c.プロピベリン(propiverine)

d.トルテロジン(tolterodine)

e.ソリフェナシン(solifenacin)

f.イミダフェナシン(imidafenacin)

g.フェソテロジン(fesoterodine)

h.プロパンテリン(propantheline bromide)

3)フラボキサート(flavoxate)

4)三環系抗うつ薬

5)漢方薬(牛車腎気丸)

6)エストロゲン(estrogen)

7)ボツリヌス毒素(botulinum toxin)膀胱壁内注入療法

その他の新しいボツリヌス毒素治療について

(1)B 型ボツリヌス毒素(ナーブロック®)

(2)インコボツリヌストキシン A(ゼオマイン®)

8)抗利尿ホルモン(デスモプレシン)

9)α1アドレナリン受容体遮断薬(α1遮断薬)

10)ホスホジエステラーゼ5型阻害薬〔phosphodiesterase type 5(PDE5)阻害薬〕

タダラフィル(tadalafil)

3 神経変調療法(neuromodulation)

1)電気刺激療法(electrical stimulation: ES)(仙骨神経刺激療法,後脛骨神経刺激療法を除く)

2)磁気刺激療法(magnetic stimulation: MS)

3)仙骨神経刺激療法(sacral neuromodulation: SNM)

4)後脛骨神経刺激療法(percutaneous または transcutaneous posterior tibial nerve stimulation: PTNS または TTNS)

5)その他の電気刺激療法

•陰部神経刺激療法(pudendal nerve stimulation: PNS)

•足底皮膚表面電気刺激療法

4 外科的治療法(骨盤臓器脱,前立腺肥大症は除く)

1)混合性尿失禁に対する外科的治療法

2)難治性非神経因性過活動膀胱に対する外科的治療法

a.膀胱拡大術

(1)自家膀胱拡大術(auto-augmentation cystoplasty)

(2)腸管利用膀胱拡大術(augmentation cystoplasty: AC)

b. Ingelman-Sundberg 手術

c.選択的膀胱除神経術

5 骨盤臓器脱に合併する女性の過活動膀胱の治療

1)保存療法

ペッサリー

2)手術療法

6 前立腺肥大症に合併する男性の過活動膀胱に対する薬物療法

1)単独療法

2)併用療法(追加療法)

a.α1遮断薬と抗コリン薬の併用療法

b.α1遮断薬とβ3受容体作動薬の併用療法

c. PDE5阻害薬とβ3受容体作動薬の併用療法

d. PDE5阻害薬と抗コリン薬の併用療法

7 高齢過活動膀胱患者に対する治療

1)フレイル

フレイルと過活動膀胱

2)認知機能障害と過活動膀胱

3)高齢者における薬物療法

4)高齢者における過活動膀胱の特徴

5)高齢者における過活動膀胱の治療

8 小児過活動膀胱患者に対する治療

1)小児の過活動膀胱の疫学

2)合併しやすいそのほかの障害

3)診療アルゴリズム

4)小児の過活動膀胱の診断

a.対象

b.基本評価

•症状の問診

•病歴,既往歴の聴取

•身体所見

•尿検査

•症状質問票〔機能障害性排尿症状スコア(Dysfunctional Voiding Symptom Score: DVSS)〕

•超音波検査

•残尿量

•排尿日誌

•尿流測定

5)小児の過活動膀胱の治療

a.行動療法

(1)生活指導

(2)定時排尿

(3)排便管理

(4)理学療法

b.薬物療法

(1)プロピベリン(propiverine)

(2)トルテロジン(tolterodine)

(3)オキシブチニン(oxybutynin)

(4)ソリフェナシン(solifenacin)

(5)フェソテロジン(fesoterodine)

(6)オキシブチニン経皮吸収型製剤(oxybutynin patch)

(7)ミラベグロン(mirabegron)

(8)ビベグロン(vibegron)

c.電気刺激療法

d.ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法

9 過活動膀胱患者における夜間頻尿の治療

1)過活動膀胱患者の膀胱蓄尿障害による夜間頻尿に対する治療

a.抗コリン薬

b.β3受容体作動薬

c.その他

(1)フラボキサート(flavoxate)

(2)ボツリヌス毒素(botulinum toxin)

2)過活動膀胱患者の夜間多尿による夜間頻尿に対する治療

9 低活動膀胱を伴う過活動膀胱について

1)病態生理

2)疫学

3)診断および臨床的特徴

4)治療

10 限局性前立腺癌治療に伴う過活動膀胱

1)限局性前立腺癌の発見率と過活動膀胱

2)前立腺全摘除術と過活動膀胱

3)放射線治療と過活動膀胱

11 難治性過活動膀胱の定義と将来の治療法の可能性

1)難治性過活動膀胱の定義

2)過活動膀胱治療法の有効性の評価方法

3)初期治療が不成功な場合の方針

4)難治性過活動膀胱に対する三次治療法

5)難治性過活動膀胱に対する研究の方向性と将来の治療法

a.疫学研究

b.信頼性,再現性の確認された共通の評価手段の開発

c.現在臨床開発中の新規薬物療法

•β3受容体作動薬-solabegron(ソラベグロン)

•遺伝子治療-URO-902(Maxi-K チャネル DNA プラスミドベクター)

•TAC-302-神経突起伸長促進剤

•BAY1817080/Eliapixant-P2X3 プリン受容体遮断薬

•Neuronox/Meditoxin-アセチルコリン拮抗薬・A 型ボツリヌストキシン

•Botulax-アセチルコリン拮抗薬・A 型ボツリヌストキシン

d.過活動膀胱治療の新規標的の可能性

索引

このガイドラインは日本排尿機能学会、日本泌尿器学会より許可を得て掲載しています。

書誌情報には、評価対象となった発行物の情報を記載しています。

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