内視鏡的乳頭切除術(endoscopic papillectomy:EP)診療ガイドライン

内視鏡的乳頭切除術(endoscopic papillectomy:EP)診療ガイドライン

初回投稿日:2021年9月7日

ページ更新日:2021年12月21日

初回投稿日:2021年9月7日

ページ更新日:2021年12月21日

書誌情報

作成委員会

内視鏡的乳頭切除術(endoscopic papillectomy:EP)診療ガイドライン作成委員会

発行年月日

2021年4月20日

発行元

発行形式

PDF

基本情報

文書の種類

診療ガイドライン

新旧属性

最新版

公開ステータス

本文公開中

Minds選定日

2021年9月14日

本文掲載日

2021年12月21日

Mindsからのお知らせ

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この診療ガイドラインは、「内視鏡的乳頭切除術(EP)」を主題として、日本消化器内視鏡学会、日本胆道学会によって作成されています。2021年4月20日に発行されました。Mindsでは、2021年9月14日に選定部会にて選定されています。

Mindsでの評価・選定・本文掲載等の状況については「基本情報」の「公開ステータス」の項目をご覧ください。
診療ガイドライン評価・選定・掲載の手順や、公開ステータスの詳しい説明については、こちらをご参照ください。

目次

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[1]はじめに

[2]本ガイドラインの作成手順

[3]本論文内容に関連する著者の利益相反

[4]資金

[5]内視鏡的乳頭切除術診療ガイドライン

1 .適応と術者の条件

ステートメント1-1: EP は,十二指腸乳頭部腺腫に行うことを提案する.

ステートメント1-2: 出血傾向を有する症例,急性膵炎症例などは,EP の禁忌と考えられるので行わないことを提案する.

ステートメント1-3: EP の術者の条件として,ERCP 関連手技,内視鏡的切除術,内視鏡的止血術などに熟練した内視鏡 医のもとで基本手技を学びトレーニングを受けていることを推奨する.

2 .術前・術中準備と手技

ステートメント2-1: EP の術前検査として,血液生化学検査,十二指腸鏡による内視鏡観察・生検と,EUS あるいはRCP(IDUS)を推奨する.

ステートメント2-2: 抗血栓薬服用症例に対するEP は,消化器内視鏡診療ガイドラインにおける出血高危険度の内視鏡手技に準拠して施行することを推奨する.

ステートメント2-3: ペースメーカーあるいは埋め込み型除細動器留置症例に対するEP は,循環器専門医へ相談のうえ臨床工学技師などの立ち会いのもとで施行することを推奨する.

ステートメント2-4: EP は腫瘍のスネアリングを行い,高周波で切除し,検体を回収する.

ステートメント2-5: 1 .EP 後は膵炎予防のために膵管ステント留置を行うことを提案する.

2 . 胆管炎予防のための胆管ステント留置,EST,出血予防のためのクリッピングなどの処置が行われているが,明らかなエビデンスは存在しない.

ステートメント2-6: 切除標本は病理学的に水平方向進展と垂直方向進展の評価が容易となるよう,ゴム板あるいはコル ク板に貼り付けホルマリン固定を行うことを推奨する.

3 .早期偶発症

ステートメント3-1: EP による早期偶発症の発生頻度は6.1~58 .3%であり,出血,膵炎,穿孔,胆道炎などがある.

ステートメント3-2: EP 後出血に対しては第一選択として内視鏡的止血術を行うことを推奨する.

ステートメント3-3: EP 後穿孔が疑われた場合には単純CT 検査を行い,穿孔と診断した場合には,外科医と密に連携し時期を逃さずに,適切な治療を行うことを推奨する.

ステートメント3-4: EP 後穿孔が疑われた場合には単純CT 検査を行い,穿孔と診断した場合には,外科医と密に連携し時期を逃さずに,適切な治療を行うことを推奨する.

ステートメント3-5: EP 後胆管炎に対しては,経乳頭的内視鏡治療を行うことを推奨する.

4 .治療成績と遺残・再発

ステートメント4-1-1: EP での完全切除率は47 ~93 %である.完全切除の定義は定まっていないが,切除標本の病理学的検索で切除断端陰性であるとする報告が多い.

ステートメント4-1-2: 切除後病理診断で脈管侵襲陽性または明らかな浸潤癌とされた場合には,追加外科切除を推奨する.

ステートメント4-2: EP 後の再発頻度は5 ~31 %である.

ステートメント4-3: EP 後の遺残・再発に対しては内視鏡治療あるいは外科治療を選択することを推奨する.

5 .経過観察と晩期偶発症

ステートメント5-1: EP 後は定期的な経過観察を行うことを推奨する.

ステートメント5-2: 再発を除いたEP 後晩期偶発症の頻度は2 ~17 %であり,乳頭狭窄,胆管結石などがある.

ステートメント5-3: 乳頭狭窄,胆管結石などのEP 後晩期偶発症に対しては,第一選択として経乳頭的内視鏡治療を行うことを推奨する.

このガイドラインは日本消化器内視鏡学会、日本胆道学会より許可を得て掲載しています。

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