男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン
男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン
初回投稿日:2018年2月1日
ページ更新日:2018年5月22日
初回投稿日:2018年2月1日
ページ更新日:2018年5月22日
最新版
部位
腎臓・泌尿器
監修・著編者
書誌情報
基本情報
文書の種類
診療ガイドライン
新旧属性
最新版
公開ステータス
本文公開中
Minds選定日
2017年12月1日
本文掲載日
2018年5月22日
Mindsからのお知らせ
この診療ガイドラインは、「男性下部尿路症状・前立腺肥大症」を主題として、日本泌尿器科学会によって作成されています。2017年4月20日にリッチヒルメディカルから発行されました。Mindsでは、2017年12月1日に選定部会にて選定されています。
Mindsでの評価・選定・本文掲載等の状況については「基本情報」の「公開ステータス」の項目をご覧ください。
診療ガイドライン評価・選定・掲載の手順や、公開ステータスの詳しい説明については、こちらをご参照ください。
目次
序
はじめに
作成委員,評価委員
1 診療アルゴリズム
・一般医向け診療アルゴリズム
・(泌尿器科)専門医向け診療アルゴリズム
2 Clinical Questions
CQ1 男性下部尿路症状を悪化させる薬剤や生活習慣は何か ?
CQ2 血清 PSA 値の評価における留意点は何か ?
CQ3 男性下部尿路症状の評価に排尿記録は推奨されるか ?
CQ4 尿閉に対して,どのような対処が推奨されるか ?
CQ5 夜間頻尿に対して,どのような初期診療が推奨されるか ?
CQ6 男性下部尿路症状に対して,どのような行動療法が推奨されるか ?
CQ7 前立腺肥大症に対して,α1遮断薬の種類による有効性・安全性の違いはあるか ?
CQ8 前立腺肥大症に対して,α1遮断薬と PDE5 阻害薬の有効性に違いはあるか ?
CQ9 前立腺肥大症に対して,α1遮断薬と PDE5 阻害薬の併用療法は推奨されるか ?
CQ10 男性下部尿路症状に対して,健康食品・サプリメントなどの代替療法は推奨されるか ?
CQ11 前立腺肥大症を伴う過活動膀胱に対して,α1遮断薬と抗コリン薬またはβ3作動薬の併用療法は推奨されるか ?
CQ12 前立腺肥大症に対して,α1遮断薬と 5α還元酵素阻害薬の併用療法は推奨されるか ?
CQ13 一定期間のα1遮断薬と 5α還元酵素阻害薬の併用療法後,いずれかの薬剤による単独療法への変更は推奨されるか ?
CQ14 前立腺肥大症に対して,PDE5 阻害薬と 5α還元酵素阻害薬の併用療法は推奨されるか ?
CQ15 性機能障害を危惧する患者に,どのような治療が推奨されるか ?
CQ16 前立腺肥大症患者が他科受診する場合に,注意すべきことは何か ?
CQ17 男性下部尿路症状を訴える患者は,どのような場合に専門医への紹介を考慮すべきか ?
CQ18 男性下部尿路症状を訴える患者は,どのような場合に専門医から一般医への紹介を考慮すべきか ?
CQ19 男性下部尿路症状の保険診療上の留意点は何か ?
3 定義と解説
1 下部尿路症状総論
1) 下部尿路症状(lower urinary tract symptom: LUTS)
a. 蓄尿症状
b. 排尿症状
c. 排尿後症状
d. その他の症状
e. 症状症候群
(1) 膀胱痛症候群(painful bladder syndrome)
(2) 過活動膀胱(overactive bladder: OAB)
(3) 膀胱出口部閉塞(bladder outlet obstruction: BOO)を示唆する症状症候群
2) 男性下部尿路症状(male lower urinary tract symptom: MLUTS)
3) 下部尿路症状と類似・関連した用語
a. 従来から使用されている広義の排尿症状
b. 刺激症状(irritative symptoms),閉塞症状(obstructive symptoms)
c. 前立腺症(prostatism)
d. 下部尿路機能障害(lower urinary tract dysfunction: LUTD)
e. 低活動膀胱(underactive bladder)
f. 尿閉(urinary retention)
g. 溢流性尿失禁(overflow incontinence)
h. 過知覚膀胱(hypersensitive bladder)
2 前立腺肥大症の定義(用語と疾患概念)
4 疫学と自然史
1 男性下部尿路症状の疫学,自然史および危険因子
1) 男性下部尿路症状の疫学
2) 男性下部尿路症状の自然史
3) 男性下部尿路症状の危険因子
2 前立腺肥大症の疫学,危険因子および自然史
1) 前立腺肥大症の有病率
2) 前立腺肥大症の危険因子
a. 遺伝的要因
b. 食事と嗜好品
c. 肥満,高血圧,高血糖,脂質異常症,メタボリック症候群および性機能障害
d. その他の危険因子
3) 前立腺肥大症の自然史
a. 組織学的な前立腺肥大症の発生・進展
b. 前立腺体積の自然史
c. 下部尿路症状の自然史
d. 尿流量の自然史
4) 進行の危険因子
a. 下部尿路症状進行の危険因子
b. 医療機関への受診を規定する要因
c. 尿閉や手術療法に至る危険因子
d. 前立腺肥大症患者に対する経過観察
5 病態
1 男性下部尿路症状をきたす疾患
2 前立腺・下部尿路の疾患・病態
1) 前立腺肥大症
a. 前立腺腫大と相関しない膀胱出口部閉塞
b. 膀胱出口部閉塞による膀胱の排尿(排出)障害
c. 膀胱出口部閉塞による膀胱の蓄尿障害
(1) 神経の変化
(2) 膀胱平滑筋の変化
(3) 尿路上皮由来のメディエーター
d. 尿道からの求心性刺激の亢進
2) 他の前立腺疾患
a. 前立腺炎
b. 前立腺癌
3) 膀胱の疾患・病態
a. 膀胱炎
b. 間質性膀胱炎
c. 膀胱癌
d. 膀胱結石
e. 膀胱憩室
f. 過活動膀胱(OAB)
g. 排尿筋低活動・低活動膀胱
h. その他
(1) 膀胱血流障害
(2) 自律神経系の活動亢進
(3) 膀胱の加齢
(4) 膀胱の炎症
4) 尿道の疾患
a. 尿道炎
b. 尿道狭窄
c. 尿道憩室
3 神経系の疾患・病態
1) 脳の疾患
a. 脳血管障害
b. 認知症
c. パーキンソン病
d. 多系統萎縮症
e. 正常圧水頭症
f. 進行性核上性麻痺
g. 大脳白質病変
2) 脊髄の疾患・病態
a. 脊髄損傷
b. 多発性硬化症
c. 脊髄腫瘍
d. 脊椎変性疾患
(1)脊柱管狭窄症
(2)椎間板ヘルニア
e. 脊髄血管障害
f. 二分脊椎
3) 末梢神経の疾患・病態
a. 糖尿病
b. 骨盤内手術後
4 その他の疾患・病態
1) 薬剤性
2) 多尿
3) 睡眠障害
4) 心因性
5 前立腺肥大症に伴う固有の病態や合併症
1) 前立腺肥大症の病態
a. 内分泌環境の変化
b. 炎症と虚血
c. アドレナリン受容体
d. NO-cGMP 系
2) 前立腺肥大症の合併症
a. 尿閉
b. 肉眼的血尿
c. 膀胱結石
d. 反復性尿路感染症
e. 腎後性腎不全
6 診断
1 基本評価
1) 症状と病歴の聴取
a. 症状
b. 病歴
2) 質問票による症状・QOL 評価
a. 国際前立腺症状スコア(International Prostate Symptom Score: IPSS) と QOL スコア(IPSS-QOL)
b. 過活動膀胱症状スコア(Overactive Bladder Symptom Score: OABSS)
c. 主要下部尿路症状スコア(Core Lower Urinary Tract Symptom Score: CLSS)
d. 前立腺肥大症影響スコア(BPH Impact Index: BII)
e. キング健康質問票(King’s Health Questionnaire: KHQ)
f. 国際失禁会議質問票短縮版(International Consultation on Incontinence Questionnaire-Short Form: ICIQ-SF)
g. 過活動膀胱質問票(Overactive Bladder questionnaire: OAB-q)
h. 間質性膀胱炎症状スコア・問題スコア(Interstitial Cystitis Symptom/ Problem Index: ICSI・ICPI)
i. 前立腺症状スコア(National Institute of Health Chronic Prostatitis Symptom Index: NIH-CPSI)
3) 身体所見
4) 尿検査
5) 血清前立腺特異抗原(prostate specific antigen: PSA)測定
6) 尿流測定
7) 残尿測定
8) 超音波検査
2 選択評価
1) 排尿記録
2) 尿流動態検査(urodynamic study: UDS)
a. 内圧尿流検査(pressure-flow study: PFS)
b. 膀胱内圧検査
3) 腎機能検査(血清クレアチニン測定)
4) 上部尿路超音波検査
3 その他の検査
1) 膀胱・尿道内視鏡検査
2) 排尿時膀胱尿道造影,逆行性尿道造影
3) 尿細胞診,尿培養
4 検査・診断の手順
7 治療
1 治療総論
2 治療の推奨のグレード
3 経過観察
4 行動療法
1) 生活指導
2) 骨盤底筋訓練・膀胱訓練
3) 電気刺激療法,磁気刺激療法(electrical stimulation, magnetic stimulation, neuromodulation)
5 薬物療法
1) α1アドレナリン受容体遮断薬(α1遮断薬)〔α1-adrenoceptor antagonists (α1-blockers)〕
a. タムスロシン(tamsulosin)
b. ナフトピジル(naftopidil)
c. シロドシン(silodosin)
d. 長期有効性
2) ホスホジエステラーゼ 5 阻害薬(phosphodiesterase-type 5 inhibitors: PDE5 inhibitors)
a. タダラフィル(tadalafil)
b. シルデナフィル(sildenafil)
c. バルデナフィル(vardenafil)
3) 5α還元酵素阻害薬(5α-reductase inhibitors)
a. デュタステリド(dutasteride)
b. フィナステリド(finasteride)
4) 抗アンドロゲン薬(anti-androgen drugs)
a. クロルマジノン(chlormadinone)
b. アリルエストレノール(allylestrenol)
5) 抗コリン薬(anticholinergics,antimuscarinic drugs)
a. オキシブチニン(oxybutynin)/オキシブチニン経皮吸収型製剤 (oxybutynin patch)
b. プロピベリン(propiverine)
c. トルテロジン(tolterodine)
d. ソリフェナシン(solifenacin)
e. イミダフェナシン(imidafenacin)
f. フェソテロジン(fesoterodine)
6) β3アドレナリン受容体作動薬(β3作動薬,β3adrenergic agonist) (ミラベグロン mirabegron)
7) 併用療法
a. α1遮断薬と抗コリン薬の併用療法
b. α1遮断薬とβ3作動薬の併用療法
c. 5α還元酵素阻害薬と抗コリン薬の併用療法
d. 5α還元酵素阻害薬とβ3作動薬の併用療法
8) その他の薬剤
a. エビプロスタット®(Eviprostat®)
b. セルニルトン®(cernitine pollen extract,Cernilton®)
c. パラプロスト®(Paraprost®)
d. 漢方薬(八味地黄丸,牛車腎気丸)
e. フラボキサート(flavoxate)
f. 抗うつ薬
g. コリン作動薬
h. 健康食品,サプリメント
6 手術療法
1) 前立腺肥大症に対する手術療法
a. 被膜下前立腺腺腫核出術(simple prostatectomy, sub-capsular enucleation)
(1) 開放手術
(2) 腹腔鏡手術
(3) ロボット支援手術
b. 経尿道的前立腺切除術(transurethral resection of the prostate: TURP)
(1)Monopolar TURP
(2)Bipolar TURP(生理食塩水灌流経尿道的前立腺切除術)
c. 経尿道的前立腺切開術(transurethral incision of the prostate: TUIP)
d. 経尿道的バイポーラ電極前立腺核出術(transurethral enucleation with bipolar system: TUEB®)
e. ホルミウムレーザー前立腺核出術(holmium laser enucleation of the prostate: HoLEP)
f. 532 nm レーザー光選択的前立腺蒸散術(photoselective vaporization of the prostate by KTP laser: PVP 80W-KTP,120W-LBO,180W-XPS)
g. 半導体レーザー前立腺蒸散術(diode laser vaporization of the prostate)
h. ツリウムレーザー前立腺切除術(thulium laser resection of the prostate: ThuLRP)
i. 組織内レーザー凝固術(interstitial laser coagulation of the prostate: ILCP)
j. 高密度焦点式超音波治療(high-intensity focused ultrasound: HIFU)
k. 経尿道的針焼灼術(transurethral needle ablation: TUNA®)
l. 経尿道的マイクロ波高温度治療術(transurethral microwave thermotherapy: TUMT)
m. 尿道ステント(urethral stent)
n. 前立腺インプラント埋め込み尿道吊り上げ術(prostatic urethral lift: PUL)
o. 経尿道的水蒸気治療(water vapor)
p. 前立腺動脈塞栓術(prostatic arterial embolization)
2) その他の手術療法
7 その他の治療
1) 尿道留置カテーテル
2) 間欠導尿
8 前立腺肥大症の治療と性機能障害
1 手術療法における性機能障害
1) 勃起障害
2) 射精障害
2 薬物療法における性機能障害
1) 勃起障害
2) 射精障害
9 臨床試験に関連する基準
1 対象患者の採用基準
1) 選択基準
2) 除外基準
2 重症度判定基準
3 治療効果判定基準
4 治療効果判定で留意すべき事項
索引
このガイドラインは書籍として発行されています。
このガイドラインは日本泌尿器科学会及びリッチヒルメディカル株式会社より許可を得て掲載しています。
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