川崎病 Minds版やさしい解説

3. 合併症・後遺症はあるの?


全身の血管に炎症が起こる川崎病では、いろいろな臓器に合併症がみられることがあります。


◆心臓の合併症・後遺症
合併症で最も問題なのが、心臓全体に酸素や栄養を供給している冠動脈*4(かんどうみゃく)という血管に瘤(こぶ)ができる冠動脈瘤(かんどうみゃくりゅう)です。これは後遺症として残る場合があり、注意が必要です。

角1 角2
  *4冠動脈(かんどうみゃく)とは ■  
心臓を囲むようにある動脈のことです.

この冠動脈によって,心臓全体に酸素や栄養が供給されています.

心臓は筋肉〔心筋〕からできていて,心筋が縮んだり広がったりする動きによって,全身に血液を送るポンプの役割をしています.

心臓が休みなくポンプとしてはたらき続けるために,冠動脈による心筋への十分な酸素と栄養の供給が必要です.

角3 角4

・冠動脈瘤
冠動脈瘤とは、下図のように、冠動脈の炎症によって血管の壁が弱くなり、血圧に耐えられなくなるとその部分がふくらんでできる瘤(こぶ)のことです。 大動脈から冠動脈に枝分かれする部分に近いところにできやすいのが特徴です。




冠動脈瘤ができると、血流が悪くなって血のかたまり〔血栓(けっせん)〕*5ができやすくなります。血栓が、大きくなったり先の血管に飛んでいったりすると、血管が詰まり心筋梗塞(しんきんこうそく)*6をひき起こします。


角1 角2
  *5血栓(けっせん)とは ■  
血管の内で血液がかたまってできるかたまりのことです.大きな瘤ができているところに
血栓はできやすく,血栓ができると血管が詰まって血流が途絶え,血液が流れるはずの
臓器に血液が届かず〔虚血(きょけつ)〕,細胞が壊死(えし)してしまうことがあります.
角3 角4
角1 角2
  *6心筋梗塞(しんきんこうそく)とは ■  
冠動脈の一部が完全にふさがって,その先の細胞が機能しない状態をいいます. 強い
胸の痛みや呼吸困難などの症状が現われ,生命が脅かされます.
角3 角4


・心臓の合併症・後遺症
軽度の場合…症状が治まってから、時間とともに瘤(こぶ)は消失し、多くはもとの血管の形に戻ります。
中等度の場合…もとの血管の形に戻る場合と、冠動脈瘤が残る場合があります。残った場合は薬による治療が続きます。
重度の場合…もとの血管に形に戻ることはほとんどなく、後遺症として残ります。薬による治療や、場合によってはカテーテルや手術による治療が必要になります。

・その他の心臓の合併症
心臓の血管以外に、心筋や心臓を覆う膜〔心膜〕に炎症〔心筋炎、心膜炎など〕を起こしたり、そのため弁膜に障害〔心弁膜症〕が認められるなどがありますが、多くは一時的なものです。


◆その他の合併症・後遺症
川崎病による血管炎によって、肝臓や腎臓、脳などにさまざまな合併症が起こることがあります。また、関節炎を起こすこともあります。

それらの合併症のほとんどは一時的なもので、適切な治療を行えば重くなることはほとんどなく、後遺症が残ることもありません。



 

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