認知症 Minds版やさしい解説

どんな治療法があるの?


認知症を完全に治す治療法はありません。
しかし、認知症の進行を遅らせたり、症状を軽くすることは可能です。



◆薬物療法
 
アルツハイマー型認知症の場合、脳内のアセチルコリンなどの神経伝達物質が極端に少なくなっています。その神経伝達物質を増やすようにはたらきかける薬を服用します。

また、グルタミン酸という神経伝達物質のはたらきも悪くなっていますので、そのはたらきを調整する薬もあります。

しかし、失われてしまった記憶などを元に戻すことはできません。

病気に伴って現れる徘徊や幻覚などの症状を改善する目的で、抗精神病薬、抗うつ薬、睡眠導入剤なども併せて用いることがあります。



◆その他の治療法
 
薬物療法と併せてリハビリテーション療法を行うと、一定の効果が認められるとされています。

現在行われているものには、グループで楽器を演奏したり歌ったりする音楽療法、絵を描くアートセラピー、動物と触れ合うアニマルセラピーなどがあります。
いずれも普段の生活では経験しえないことに取り組むことで、五感を活用し、脳を活性化させるはたらきがあると考えられています。


認知症治療の非薬物療法
認知症治療の非薬物療法

・リアリティーオリエンテーション〔RO〕
「何月何日か」「いまの季節はいつなのか」など見当識障害(けんとうしきしょうがい)を解消し、現実認識を深めることにより残存機能を高める療法。

・バリデーション療法
認知症の方とのコミュニケーション方法。相手の話に耳を傾け接点を持つことで、行動の異常や感情を和らげることを目的とする。

・回想法
過去を振り返り、共感、受容的に対応することによって心理的安定、人格統一を図る。

・認知刺激療法
言語や数字などを使ったゲームや簡単な計算で脳に刺激を与える。

・運動療法
運動機能と心肺機能の改善と維持を目的とする。寝返りや布団から起きるなどの基本的な動作や、歩行や散歩などの移動動作、関節を動かす運動や筋力を強くする運動、持久力を高める運動など、症状に合わせて行われる。

・音楽療法
心身のリラックスと不安やストレスを軽くする目的で行われる。方法はさまざまで、個人か集団か、自分自身で演奏や歌を歌う参加タイプ、もしくは音楽を鑑賞するタイプなどがある。



 

 
 
 
ページトップへ

ガイドライン解説

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す

診療ガイドライン検索

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す