ガイドライン

(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版

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第1章 疫学

 
CQ1  前立腺癌の罹患率はどのくらいか?

全世界では10万人あたり19.8であり,全癌の中で3番目に高く,欧米に多い。日本では,8.5と低く米国の約10分の1である。しかし,2020年には肺癌に次いで2番目の罹患数になると予測されている。

全世界での前立腺癌罹患数は,年間約40万人と報告され,すべての男性癌の9.2%を占め,4番目に多い。世界人口で年齢調整した前立腺癌の罹患率(年齢調整罹患率:/10万人/年)は19.8であり,肺癌(37.5),胃癌(24.5)に次いで3番目の高さになる。前立腺癌罹患率は世界の中での地域差が大きく,一般的に先進国の罹患率は発展途上国に比べ3倍以上高い。年齢調整罹患率は,北アメリカが93.4と最も高く,西ヨーロッパは39.6であるのに対し,日本は8.5と低い1)
日本国内の調査結果(1998年)に基づく,わが国の男性の年齢調整罹患率(基準人口は昭和60年のモデル人口)は,前立腺癌では19.9と,胃癌,肺癌,結腸癌,肝臓癌,直腸癌に次いで6番目に高く,男性癌全部位の5.3%を占める2)
年齢に関しては,他の癌に比べ高齢者に多く,全世界の傾向では前立腺癌罹患者の約80%は66歳以上である。わが国における前立腺癌の年齢階級別罹患率(1998年)は,40~44歳では0.1と低いが,45~49歳では0.7,50~54歳では3.0,55~59 歳では 12.4,60~64歳では35.1,65~69歳では85.5,70~74歳では151.5,75~79歳では193.8,80~84歳では294.2,85歳以上では359.1と加齢にしたがって高くなる3)
わが国での前立腺癌の年齢調整罹患率は,1975年は7.1と低かったが,その後は年々高くなっており,1998年には19.9と約2.8倍に増加している2)将来の前立腺癌罹患数の増加に関しては,2020年には78,468人と肺癌に次いで男性癌の2番目になると予測されている4)


 参考文献
1) Parkin DM, Pisani P, Ferlay J. Global cancer statistics. CA Cancer J Clin. 1999;49:33-64.
2) がんの統計'03:悪性新生物年齢調整罹患率,主要部位別・年次別(昭和50年~平成10年): http://www.ncc.go.jp/jp/statistics/2003/data08.pdf :accessed on July 27, 2004.
3) がんの統計'03:悪性新生物罹患数,罹患率および年齢階級別罹患率(平成10年):available at: http://www.ncc.go.jp/jp/statistics/2003/data07.pdf :accessed on July 27, 2004.
4) 大野ゆう子,中村 隆,大島 明,他:日本のがん罹患の将来推計.がん・統計白書-罹患/死亡/予後-2004(大島明,黒石哲生,田島和雄,編).篠原出版新社;2004.p201-17.


 注)疫学に関する事項は推奨グレードをつけられない部分が多いため,他のパートと異なり各クリニカルクエスチョンに対して,コメントおよび解説,文献の3部からなる構成とした。また文献の評価は,それぞれが扱っている対象が日本人か外国人か,community-basedかhospital-basedかの2点を明記した。

 

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